第4話「自覚する戦い」
ありがとうございます。
その瞬間まで石投げにしようと思っていた。
でも、ここにこうして剣を持っているなら
それを使ってみたいと思っていたことも本当で、
俺は選んだ。
(戦う)
剣を握りしめ、ゴブリンに走りだす
切りつけた感触は気持ち悪くて、
ゲームみたいにはうまくいかない。
ゴブリンに8のダメージ
ウインドウの表示した数字は俺を嫌な気分にさせた。
ゴブリンが俺を睨み、
こん棒で襲い掛かってくる。
盾になりそうなものもなく、
俺は右肩に強い衝撃を受けた。
(痛いいたいいたい!)
その場に崩れ落ち転げ回っても
痛みは消えない。
(薬草薬草薬草)
薬草をとろうとポケットを探ると
くしゃくしゃになった花束が出てきた。
(あっ・・・)
ウィンドウが変わる。
・戦う
・スキル
・にげる
俺は馬鹿だった。
冷静になれ。
冷静に……
(スキル)
・砂投げ
・石投げ
・叫ぶ
(石投げ)
投げた瞬間、思った。
うまくいったと……
石はゴブリンの右目に当たり
ゴブリンは転げ回っている。
ウインドウは
ゴブリンにジャストヒット
16の部位ダメージを与えた。
と表示された。
ゴブリンは右目を押さえながら
片手で攻撃してきた。
動きは遅くてわかりやすく、
スッと避けることができた。
どうする?
俺は砂投げを選び、
ゴブリンの視界を潰すことにした。
それは運よく決まり
ゴブリンは俺に近寄ることもできずに
転がっている。
俺は転がるゴブリンに近付き、
剣を上段に構えると
(戦う)
ゴブリンの首が転がる。
ウインドウは
夏男はゴブリンを倒した。
経験値36を手に入れた。
・ゴブリンのこん棒
・ゴブリンの耳
・30ギラ
を手に入れた
と表示している。
ゴブリンの体と首が消え、
こん棒と耳と3枚の銅貨が現れた。
俺はそれを確認すると
地面に倒れ込み、生まれてはじめて青空に大声で叫ぶ。
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁl!」
ありがとうございました。