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第2話「街と道具屋と武器屋と」

ありがとうございます。

俺は少しばかり街へ歩む。


気持ちいい風と草の匂い、

空いっぱいの青空なんて初めてかもしれない。

いつも、どこかに電線かビルが写っていた。


正直、ここでそこそこ暮らせるなら

生まれ変わらなくてもいい。

そう思わせるほどにこの世界は

のどかな雰囲気に包まれていた。



街の門にたどり着くと

兵士が話しかけてきた。


「ここはアレクの街だ」


俺は深々と頭を下げながら

「よろしくお願いします」

と言った。


 正直、人とまともに話すことはここ数か月なかった。

 目つきの悪い上司、香水臭い同僚、コンビニの店員さんの数人が

 話し相手だったような気がする


「ふん、おめえみたいな奴がこの街にきたところでロクなことには

 ならねえぞ。 もし、なんかあったら俺んことに来い」


 俺ははじめて人に手を振り、街を冒険することにした。


 大きくて二階建てくらいの石れんがで作られた家が遠くに数件。

 後は木の板を貼りつけたいかにもな家がぽつんぽつんと並んでいる。


 正直、そこまでの大きさは感じない。

 多分、島根の田舎町よりすこし大きいくらいだろう。


 最初に道具屋で薬草を買うことにしている俺は看板がある家を探す。


 右にみえるそれらしき看板の家に入ると

 大きなつぼや草の束が並んでいた。


(そんなに数はなさそう)


 俺は亭主らしき人に話しかけてみた。

「あ、あの薬草とかありますか?」


 亭主の前にさっきとは違う大き目のウィンドウが現れた。


  ・買う

  ・売る

  ・立ち去る


(買う)

 そう念じるとウィンドウは変わり、

 違う文字が出た。


  ・薬草   8G

  ・毒消し草 6G

  ・聖水   7G

  ・石化消し 9G


(15Gしか持っていない)


「薬草一個お願いします」


 俺は懐から8Gを取り出し、

 机に置く。

 「ふん」 

 亭主は後ろの棚から薬草を取り出すと

 めんどくさそうに机に置いた。


 薬草を受け取り俺は店を出た。

 

 隣の武器屋っぽい看板の店に入る。


(すげええええええええええ!)


 こうしてみると武器屋ってかっこいい。

 剣、斧、槍、盾、鎧が色んな棚に並んでいる。


 ワクワクするなんて何十年ぶりだろ?

 小学校入る前に連れてってもらったおもちゃ屋以来?


 棚に並んでいる武器に触ろうと思ったが

 怒られるかもしれないのでじっくり眺める。


 楽しい。


 この鎧の模様、ドラゴン?


(こういうの着たら楽しいんだろうなぁ)


「いらっしゃい!いい武器揃えてるよ!」


 心臓がギュっと鳴る。

 後を振り向くときれいな女の人が立っていた。

 服はドラマに出てくる古いお金のかかっていないドレス。

 顔つきは彫りの深く目つきの鋭い少し怖い感じが漂っている。

 …胸は大きい。

 身長は俺(170㎝)よりちょっとだけ低い。


 俺はどこに視線を向けていいかわからないので

 胸をみないように話しかけた。


「武器…あり…ますか」


「あるよ!」

 いつものウィンドウが出てくる。

  ・買う

  ・売る

  ・立ち去る


(買う)


  ・木の棒    4G

  ・たけのやり  3G

  ・兵士の剣  15G

  ・兵士の斧  17G

  ・農民の服   5G

  ・兵士の盾  13G

  ・兵士の鎧  17G


(7Gしかもってないから木の棒かたけのやりか…)


 俺はすこしだけガッカリしながら

(立ち去る)


「また来てくれよ」

 嫌な顔や固まった笑顔じゃない普通な感じで

 彼女は店の奥に戻っていった。


(よかった…嫌な顔されなくてよかった)


 俺は右手を胸にやり

 一呼吸する。


 (次、くるときは最低でも兵士の斧か盾を買えるようになってからだな)


ありがとうございます。

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