47話 報酬は...
ルーカスが頭を下げるのを見た勇貴は慌てて口を開いた。
「ちょっ!ちょっとルーカスさん!何してるんですか!頭を上げてください!」
「...頼む」
「そんな事しなくてもちゃんとやりますから!ね?顔上げましょう」
そう勇貴が言うとルーカスは顔を勢いよく上げた。
「本当か!..何から何まで..すまない.ユウキ殿」
「別に良いんですよ、自分もルーカスさんにはいろいろお世話になりましたから」
「いや、私はなにも...」
「いえ、ルーカスさんに会ってなかったら..ウルやフウと出会う事もなかったでしょうから」
そう勇貴が言うとウルは勇貴を見ながら少し顔を赤くし小さく「ご主人様ぁ」と声をもらしフウは「えへへへっ」と笑っていた。そしてそれを聞いたルーカスは
「それは...いや、そういう事にしておこうか」
「はい」
「それでは、いろいろ話が脱線してしまったが依頼の話に戻ろうか」
「そうですね」
「それで..どこまで話たかな?」
「え~と、タリアさんの護衛を王都に着いた後も続けて欲しいと..そう言えばその護衛って具体的にいつまで続ければ良いんですか?」
「うん?そうか、そうだな...すまんが具体的な日数は分からん..ただ盗賊の件が解決するまではお願いしたい」
「う~ん、じゃ~結構長期間の可能性も?」
「..うむ、すまないがその可能性もある..ただ護衛にかかった分の報酬はしっかり払う、もしユウキ殿がダメなら..出来る期間だけで構わない」
「いえ、今のところ何も無いので大丈夫です。」
「そうか!ありがとう助かるよ」
「いえいえ、ですが自分一人だと一日中タリアさんの護衛をするのは少し厳しいんじゃないかと」
「うん?ああ、いやいや、ユウキ殿に護衛してもらうのはダンジョン都市から王都までとタリアが学園に通っている時だけで構わないんだ」
「学園でですか?それじゃあ他の場所は...それに自分って学園に入れるんですか?」
「学園の送り迎えは護衛つきの馬車が送り迎えに行き屋敷には優秀な警備の者が随時待機しているからそう簡単に侵入はできない、それと学園については問題無い、学園の貴族は大体護衛やメイド、執事を連れて行くからな」
「だったら..」
「うむ、しかし護衛は学生1人につき護衛1人、メイドや執事は2人までしか連れて行けないんだよ」
「なるほど..」
「..改めて聞くがこの依頼を受けてくれるかい?」
ルーカスは少し不安そうな顔で勇貴に聞いた。勇貴は少し考えた後
「..分かりました。依頼を受けます。」
「そうか!ありがとうユウキ殿!」
「いえいえ、それで..その王都にはいつ行くんですか?」
「うむ、ここから王都までは馬車で一週間ほどかかる。最初は妻の病気の事があるからギリギリまでここにいるつもりで2週間後を予定にしていたんだが...ユウキ殿が何か分かるかも知れないと言う事ならば..今から準備をさせて...3日後でどうだろうか?」
「自分はそれで良いですよ」
「そうか、良かった...それじゃあ報酬なんだが王都までの護衛で金貨50枚、学園での護衛1日で銀貨10枚、1ヶ月続く用ならそれとは別に金貨10枚それと...」
「ちょっ!ちょっと!待って下さい!」
「うん?どうした?少なかったか?ではもっと..」
「いえ!その逆です!多くないですか?」
「何を言っているんだ?命をかけて守ってもらっているんだこの位は普通だろ?」
「そっそうなんですか?」
「そうだ...それと妻の病気の報酬は金貨をさんびゃ...」
「ちょっ!ちょっと!待って下さい!」
「なんだ?少なかったか?じゃあ金貨をごひゃ..」
「いやいやいや、何で報酬を上げようとするんですか?それにルーカスさんの奥さんの件での報酬は必要ないですよ」
「それは駄目だ!妻を助けてもらうのに報酬を出さないだなんて!」
「いえ、自分も絶対治せるか分かりませんから、それに治しただけで金貨何百枚とかは...」
「いや、しかし....分かった!ではユウキ殿の願いを聞こう!私に出来ることなら何でもしよう!さぁ!」
「えっ!ねっ願いですか?う~ん...あっ!自分そろそろ家を買って拠点を作りたいと思っていたんです。」
「なるほど..」
そうルーカスが言うとルーカスは何かを考え込む
「それで、いい機会なので王都に拠点を作りたいので..その良い物件を紹介してくれるところがあったら教えて欲しいんですけど...ルーカス.さん?」
「うん?ああ、すまない王都に拠点を..と言う話だったね?」
「はい..「じゃあ、私の屋敷を上げよう!」やっぱり難しいですかね?.....え?」