41話 ネルのお誘い
勇貴は声の主が破壊神ネルだと分かると驚き、そしてどこにいるのかと辺りをキョロキョロと見渡す。
「ねっネル!どこ?」
「(私は...そこには...いない)」
「でも..声が」
「(それは...神託...使ってるから)」
「しんたく?..ああ、神託か!そう言えば前にもらったな」
「(そう...それを使って...神界から...直接ユウキの頭に語りかけてる)」
「へ~」
「(だから...声に出さなくても...考えるだけで...会話ができる)」
「あっ!そうなの?じゃ~(ネル?聞こえる?)」
「(うん...聞こえる)」
「おお~..あっ!(それで今日はどうしたんだ?)」
「(.........)」
「うん?(あれ?ネル?..もしも~し!聞こえてるか?)」
「(...ちょっと...ユウキと...話したかった..だけ)」
「ぐはぁ!(ぐはぁ!)」
ネルの言葉に思わず鼻血が出る。
「(ユウキ?)」
「(だっ大丈夫!...それで..話し..だったよな?)」
「(...うん....ユウキ...あれから...全然こっち...こないから)」
「(あれからって、あの夢の中の事か?)」
「(...うん)」
「(...あれって、2日前..いや、今日で3日目か?そのくらいしかたってないぞ?)」
「(...でも...ユウキと...話したかった)」
「ぐはぁ!(...そっそうか)」
勇貴はネルの言葉にまた鼻血を出すとそれを袖で拭った。
「(ユウキは...嫌...だった?)」
「(嫌じゃない!嫌じゃない!むしろ凄い嬉しいよ!)」
「(...本当?)」
「(ああ、本当に)」
「(...良かった...ネルも...話せて....嬉しぃ)」
「ぐはぁ!!(ぐはぁ!!)」
「(ユウキ?...大丈夫?)」
「(あっああ、大丈夫だ!)」
「(そう?...それで...その...ユウキは...いつ...こっちに来れる?)」
「(こっち..っていうのは神界の事か?)」
「(うん)」
「(そうか~そうだよな~..な~ネル)」
「(うん?)」
「(神界には、その夢の時にもらったワープで行けるんだよな?)」
「(うん...それが...どうかした?)」
「(ワープって行き先を明確にイメージしないといけないだろ?神界って最初にグノーシス様と会った真っ白い所しか分かんなくてさ...イメージがな)」
「(それなら...私を...イメージ...すると良い)」
勇貴はネルの言葉を不思議に思った。
「(ネルを..か?)」
「(うん...ユウキの...ワープは...普通...じゃないから)」
「(...説明それだけ!)」
「(うん...大丈夫)」
「(そっそうなの?まぁ~分かったよ、じゃ~明日..はバートナーの家に行くから..明後日、神界に行くよ)」
「(いいの?)」
「(ああ、自分もネルに会いたいしな)」
「(....分かった...じゃあ...明後日...楽しみにしてる)」
「(ああ..あっ!)」
「(うん?)」
「(いや、ウルとフウ...今一緒に行動してる仲間がいるんだけどな...一緒に..は無理だし..神界に行ってくる!って言うのも言わない方が良いよな?)」
「(連れてくる...のは止めた方が良い...でも...話すのは...別に...良い)」
勇貴はネルの言葉に驚く
「えっ!(えっ!良いの!)」
「(別に...隠してないし...普通は...知ってても...来れない...それに...信じない...と思う)」
「(ですよねー..よし!それはその時考えるとしよう。じゃ~明後日な..ネル)」
「(うん...待ってる...)」
ネルのその言葉を最後に声は聞こえなくなると、勇貴はゆっくりと目を閉じた。