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マイ・ジャスティス  作者: 龍希
24/60

24話 眩しい笑顔

フウはいつの間にか勇貴の胸で声を押さえて泣いていた。そんなフウの頭を勇貴は優しく撫でる。そんな光す景を見てマヤとウルは嬉し涙を浮かべていた。そんな中ハーストは治療の光に驚き泣くのも忘れ、何が起きたのか周りを見渡していた。そしてハーストはフウが泣いているのを見てフウの涙の理由を勘違いした。ハーストはまた涙目になりながら勇貴とは逆側のベッドの方に近づきながらフウに言った。

「...フ.ウ..フウ!」

ハーストのその言葉にフウは勇貴の胸から顔を上げハーストを見た。フウの目は赤く腫れ、顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。そんなフウの顔を見てまた涙が溢れそうになるハーストだが、涙をこらえフウに言った。

「大丈夫だ!私が!いや、私達がフウの病を絶対に治す!だから..だから!もうなぐんじゃない!」

その言葉にハースト以外の全員がハーストを見て呆然としていた。そんな皆の顔を見てハーストは不思議そうに言った。

「...フ.ウ?ツ.ツキガミ様?ウル?マヤ?..皆..どうしたんだ?そんな顔をして?」

ハーストの言葉にマヤはため息をすると呆れたように言った。

「はぁ~オーナー..貴方という人は...フウの手..見て下さい。」

「て?..何を言っている..フウの手は........」

ハーストがマヤに言われてフウの手を見ると、そこには黒く禍々しい腕ではなく、白く美しく肌の腕があった。その腕を見たハーストは金魚のように口をパクパクさせた後言った。

「.....なっ治ってる..治ってるぞ!どっ!どういうことだ?!」

「オーナー..ツキガミ様の話しを聞いていなかったのですか?」

「話し?何のことだ?」

「はぁ~フウの病をツキガミ様が治して下さったのです。先程の魔法の光位は覚えているでしょう。」

「魔法...!では先程の光は補助魔法の!でっですが神官様の補助魔法出さえ治せなかった病を..どうやって..」

ハーストがそう言うと勇貴を見る。勇貴がハーストの視線に気付くとハーストに質問する。

「ああ~え~と、その神官様の補助魔法のレベルって分かります?」

「えっ?はい、確かこのダンジョン都市で一番の使い手で聖王様や聖女様に次ぐ補助魔法の使い手なので、レベルは7ですね..それが何か?」

「ふんふん、成るほど..レベルは十分...と言うことは..問題だったのはイメージの方ですね」

「イメージ?.ですか?」

「ええ、フウのかかっていた黒混合症という病は半人ハーフ混合人ミックスにしか診られない病で、ただ病を治すイメージだけではなく、その他にこの病にあったイメージを一緒に魔法を使う必要があるんです。」

「なんと!うん?...ツキガミ様..今なんとおっしゃいましたか?」

「えっ?だからこの病にあったイメージを...」

「いえ、その前です。」

「えっ?え~と、ただの病を治すイメージだけでは..」

「いえ、その前です。」

「えっ?あっはい、え~と..半人ハーフ混合人ミックスにしか診られない..病?」

「それです!!!」

「..はぁ、それがどうかしましたか?」

「いえ、なぜそのような病にかかったのかと..フウは見ての通り狼人族ですし」

「えっ?フウは混合人ミックスですよ?」

「なっ!「えっ!」」×4

勇貴の言葉に皆は驚きの表情を浮かべ、勇貴はなぜ驚いているのか分からず不思議そうな顔をする。そんな中ハーレムが勇貴に言った。

「ツキガミ様、フウが混合人ミックスというのは本当でしょうか?」

「ええ、鑑定で種族欄に混合人ミックスって書いてましたから..もしかしてフウが混合人ミックスって知らなかったンですか?」

「...ええ」

「でも、鑑定したんですよね?」

「いえ、鑑定したのはウルだけです。フウは戦闘訓練の魔力量を量る前に病に倒れてしまったので...まさか姉妹で半人ハーフ混合人ミックスになるとは」

「ああ~そう言えば半人ハーフ混合人ミックスって珍しいんでしたっけ?」

「ええ、ただでさえ珍しいのに姉妹でなんて..確率的には限りなく0に近いでしょう。」

「ははっ、それは..」

勇貴がそう言いまだ勇貴の服を掴んだままのフウの顔を見る。するとそこには涙で目が少し赤く腫れているが潤んだ瞳で上目遣いになっているフウがいた。それを見た勇貴は

「おっと(...かわいい)」

勇貴に見つめられたフウは顔を赤くし俯く、すると自分の手が勇貴の服を掴んでいるのに気付いたフウは慌て手を離し勇貴に謝る。

「あっ!ごっごめんなさい!奴隷の私がツキガミ様のお洋服を汚してしまいました!ごめんなさい!」

「いや、良いよ良いよ可愛い女の子に胸を貸すのは男冥利に尽きるし、それにフウちゃんの涙は汚くなんかないよ」

そう勇貴に言われたフウはさらに顔を赤くし俯いき何かをぶつぶつ呟きだした。

「かっかっかっかっかっかっかわいい!私が!つっつっツキガミ様が私のことを...か....わ....い.か......い」

そんな光景にハーストは恐る恐る勇貴に話しかける。

「....あの~ツキガミ様?」

「あっ!はい」

「ツキガミ様、この度は本当にありがとうございました。」

そうハーストが言うとマヤ、ウルもそれに続いた。

「ありがとうござい「ました」ます」×2

「ツキガミ様、ウルとフウをどうかこれからもよろしくお願い致します。」

「はい、でもその前に...ウル」

「はい」

「フウちゃん...フウ」

「はっ!はい!」

「君達の主人が自分で本当に良いかい?」

勇貴のそんな言葉にウルとフウは即座に答えを出す。

「よろしくお願いします」×2

その答えに勇貴は微笑むとハーストに言った。

「うん、こっちこそよろしくね..という訳でハーストさん2人を下さい。」

「ええ、ではウル、フウこっちへ来て奴隷紋をだしなさい」

「はい」×2

ウルとフウが返事をすると2人並んで後ろを向き膝を折る。すると首の後ろ、うなじ辺りに小さな魔法陣が見えた。

「では、ツキガミ様この奴隷紋にツキガミ様の血を垂らした後、魔力を流してください、それでこの子達は貴方の奴隷になります。」

そして勇貴がウルとフウに血を垂らし魔力を流すと魔法陣が淡い赤色の光を一瞬発する。すると2人は少し声を洩らした。

「あっ...はっ...うっ」

「うっっ...くっ...あっ」

そして、光が収まるとウル、フウは立ち上がり勇貴に眩しいほどの笑顔を向けて言った。

「これからよろしくお願いします!ご主人様!」×2




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