15話 ダンジョン都市の冒険者ギルド
勇貴は、ルーカスの屋敷を出た後その足で冒険者ギルドへと向かった。ダンジョン都市の冒険者ギルドは、ユスティーツの冒険者ギルドよりも遥かに大きく人の数もすごかった。
「うあぁ~凄い人だなぁ~まぁ~取り敢えず並ぶか」
そして勇貴が列に並び数十分すると、勇貴の順番が来た。
「次のかた~どうぞ~」
「あっ!はい」
受け付けにいたのは、茶髪の長い髪に垂れ目のお姉さん系美人の受付嬢だった。
「あなたは~見たことないお顔ですね~ここは始めてですか~?」
「はい、そうです。」
「やっぱり~私は~ここで受付をしている~サリィです~よろしくお願いしますね~」
「はい、自分は月神 勇貴と言います。こちらこそよろしくお願いします。」
「は~い、それで~ユウキ君は~今日は~どうしたの~依頼かな~?」
「いえ、今日は手紙を届けに来たんです。」
「手紙~誰に~?」
「えーと、ここのギルドマスターさんにですね、ユスティーツの冒険者ギルドのギルドマスターのギドって言う人からなんですけど」
「マスターにですか~今マスターいないんですよ~明日には帰ってくると思うよ~預かっておこうか~?」
「あ~じゃ~お願いしてもいいですか?」
「うん、いいよ~何か身分証明できるのある~?」
「はい、ギルドカードでいいですか?」
「いいよ~それにしてもユウキ君って冒険者だったんだ~」
「はい、そうです。..っと..これでいいですか?」
「うわ~ユウキ君ってBランクなんだ~凄いね~」
「えっ!あ~ありがとうございます。」
「うん、じゃ~ちょっと待っててね~」
そして、サリィが手紙とギルドカードを持って奥に行って何やら作業をした後、戻って来た。
「お待たせ~はい、これギルドカード返すね~手紙は~マスターが帰って来たらちゃんと渡すからね~」
「はい、ありがとうございます。」
「後は~何かある~?」
「いや~あっ!じゃ~ダンジョンについて聞いていいですか?」
「いいよ~何が知りたいの~?」
「えーと、ダンジョンの特徴とか持っていった方がいい物とかですかね」
「う~とね~ここのダンジョンはね~『シゼン・トウタ』と言うダンジョンでね~」
「自然淘汰..ですか?」
「うん~そ~それでね~そのダンジョンは~洞窟や~森~さらには火山や雪原など階層ごとに地形と魔物が変化するの~だから~他のダンジョンよりしっかり準備しないとダメなんです~」
「なるほど、まさに自然淘汰..ですね」
「?」
「あっ!いえ、何でもないです。それでそのダンジョンはどのくらいの深いんですか?」
「う~ん?ユウキ君知らないの~ここのダンジョンまだ最下層まで攻略されたことないよ~」
「そうなんですか?じゃ~今はどのくらいまでいってるんですか?」
「え~と~確か~101階層までですね~なんでも~100階層を越えると~ダンジョンの難易度が~すご~く上がるらしんです~」
「なるほど、あと何かダンジョンで気を付けておくことはありますか?」
「う~ん~あとは~階層転移くらいかな~」
「階層..転移ですか?」
「うん~ダンジョンはね~基本的に10階層ごとにボス部屋があってね~そのボス部屋のボスを倒して下の階層に行くと~地上に出られる転移陣があるの~その転移陣は~ボス部屋の次の階層にしかなくてね~そこを通って地上に戻ると~次からは~地上の転移陣から~その転移陣のある~11階層ごとの好きな階層から始められるの~だけど~他の階層には~転移陣がないから~しっかり転移陣の場所は~確認しておいてね~」
「なるほど、じゃ~その転移陣以外に地上に出るには、来た道を戻るしかないんですね..」
「う~んとね~ダンジョンでね~たま~~にね~転移石って言うアイテムをね~ドロップする事があってね~」
「?」
「あっ!そうそう~ダンジョンの魔物はね~外の魔物と違ってね~解体とかしなくても~倒したそばからね~ドロップアイテムっていうのを残してね~他は消えちゃうんだよ~それでね~そのドロップアイテムでね~たま~~に出てくるのが転移石でね~その石は行ったことのある階層ならね~どこにでも行けるし~どの階層からでも地上に戻ってこれるんだよ~」
「なるほど、その転移石は是非欲しいですね」
「う~~ん~でも~転移石って~今までで~数個しか見つかってなくて~難しいと思うよ~」
「そんなにですか?うん~じゃ~地道に少しずつやっていくしかないか~」
「うん~それがいいと思うよ~ユウキ君はこれからダンジョンに行くの~」
「いえ、今日はダンジョンに向けてしっかり準備して、明日改めてダンジョンに挑もうかと」
「そっか~うんうん~準備は大切だからね~ユウキ君は~ちゃんと分かってるみたいで良かったよ~」
「いえ、ちょっと臆病なだけですよ」
「ふふっ~冒険者には~そうゆうのも~必要だと思いますよ~」
「ありがとうございます。あっ!あとこの辺りでオススメの宿ってありますか?」
「宿屋さんですか~そうですね~どんなところがいいですか~?」
「そうですね~お金はちょっと高くてもいいんで、安全でご飯がおいしいところがいいですね」
「なるほど~それじゃ~ギルドを出て~右の貴族街の方に~真っ直ぐ進んでもらうと~左側に『黄金の林檎亭』という~宿屋さんがあるので~そこがいいと思いますよ~」
「『黄金の林檎亭』.ですね、それじゃ~そこに行ってみたいと思います。ありがとうございます。」
「いえいえ~これが私のお仕事ですから~」
「じゃ~行って来ます。」
「は~い、行ってらっしゃ~い~」
そして、勇貴が冒険者ギルドを出ると宿屋に向かう途中にあるいくつかの店によりダンジョンに必要な物を買っていった。買い物をしていると外はすっかり日が傾き始めていてサリィに教えてもらった宿屋『黄金の林檎亭』につく頃には、外はすっかり暗くなっていた。その宿で部屋を取った勇貴は、直ぐに夕食を食べ、自分の部屋に戻りベッドにダイブしそのまま眠りについた。