1話 自分の正義
「正義」とは?
そう問われたらどう答える?
・「困っている者を助けること?」
・「正しいことをすること?」
・「法を守ること?」
自分の見た辞書にはこう書いてあった。
「正しい道理。人間行為の正しさ。」と...
「正しい道理」?「人間行為の正しさ」?そう答えられて「なるほど」と思った人はどれくらいいるだろうか、少なくとも自分の頭には?が浮かんだ。
なぜこんなこと...
そう...「暇なのである!」
自分は今、真っ白なそう上も下も右も左も真っ白でどこまでいっても終わりがなさそうな、というか終わりが無いと思う。正義とか考える前はとにかく走り回って見たのに全然景色が変わらなかった、その後は意味も無い言葉を大きな声で叫んでみたりいろんな事をして今にいたらる。
「ここマジでどこなんだよ...」
「ここはの、神界じゃよ」
「へ~神かっ...てぇぇぇぇぇぇ!誰だよてかどっからでて来た!!!」
後ろを振り向くと優しそうで立派な白ひげの老人がそこにいた。
「わしか?わしわの創造神グノーシスじゃよ」
「創造神...グノーシス...様?」
「ほっほっほっそんなかしこまんでも良い、わしのことはグノーちゃんと呼んでくれて構わんぞ」
「えっ...」
「だからグノーち「分かりました、でわ神様で!」
「そっそうかでもやっぱりグノーち「いえ神様で!」
「そっそうかぁ」
と神様は少し悲しそう顔をする、でもすぐに表情を戻し神様の前に座るようにと言ってきた。
自分が神様の前に座ると
「そういえば君えっと月がっえっと...」
「月神です。月神勇貴です。」
「あっそうそう月神君、月神君は今の状況は理解できてるかい?」
「いえ、全く」
「ん~結論から言うと君は死んでいる」
「あ~やっぱりぃ...」
そう自分は死んでいる‥‥高校の下校途中道路で車に引かれそうになっている女の子をかばったのだ、次に目を覚ますとこの真っ白な神界にいたのだ、もしかしたらと思ってたけどやっぱりそうだったのか。
「やっぱりということは記憶はしっかりしているようだの」
「はい、ま~一応は」
「いや~良かった月神君、目覚ましたらいきなり走り出したり奇声あげたりしてたから心配してたんだよ」
「えっ見てたんですか?」
「えっあ~見てた「じゃあもっと早く来てくださいよ!」よ」
「いっいや~途中からおもし...じゃなくてどうしてもはずせない用ができてね。」
「今、面白いって言いかけませんでしたか?」
「いっいやそんな事はないぞ、それより本題に入ろうか。」
「話そらしましたね、はぁ~まぁいいですそれで本題って何ですか?」
「ふむ、月神君には生き返ってもらいたいのじゃよ」
自分は「生き返えれる」ということに驚き、つい前のめりになって答えた。
「えっ生き返れるんですか!じゃあまた両親や友達に会えるんですか!」
「あっいや月神君がいた世界でわなく別の世界でじゃよ」
「別の世界ですか?」
「そうじゃ、その世界は月神君がいた世界とはまるで違う月神君の世界で言うなら剣と魔法のファンタジーの世界ってところかの~」
「剣と魔法のですか...」
「うん?嫌か?」
「いえ、むしろめちゃくちゃ行きたいですけど...その自分全然強く無いですし、言語とかいろいろと」
「あぁその事はあまり気にしなくていいぞ、言語翻訳、鑑定、マップ、アイテムボックスのスキルは転生特典でつけるし、必要なものはアイテムボックスに入れるし、筋力やその他もろもろ上げた状態で送るからのぉ」
「特典って...まぁそれなら何とかなるかなぁ...あっ!じゃ自分だけの魔法創ったり、どんな武器でも扱えるようになったりするようなチートスキルとかってもらえるんですか!」
「いやぁすまんがそうゆうのはできんのぉ~」
「でですよね~」
「まぁ身体能力を上げるからスキルを覚えやすくなったりレベルアップの時ステータスの伸びが増えるくらいかのぉ~」
「それ結構すごいんじゃ...」
「うん?そうかのぉそれから月神君が言っとったチートスキル?じゃったか?それは正確に言うと「できない」と言うより「分からない」と言った方が正しいのぉ~」
「分からない..ですか?」
「うむ、月神君のような転生者はほとんどが特異なスキル、ユニークスキルを持って転生する、そのスキルは月神君が言ったように魔法を創ったりできるものや、普通のスキルとそんな変わらんかったり、一つだったり二つスキルを持つかもしれん、じゃからそのスキルがどんな能力なのかいくつ持っているかは行ってみないと分からんのじゃ」
「なるほどぉ、そのユニークスキルは完全にランダムで行ってみるまで分からないとぉ...分かりました!ありがとうございます。」
「よいよい、それで他に聞きたいことはあるかね?」
「うん~じゃ~自分がこれから行く..あっそういえば自分が行く世界に名前ってありますか?」
「うん?まだ言っておらんかったか?ウル・オリエントと言う所じゃよ」
「ウル・オリエント...じゃそのウル・オリエントって所に行ったら自分は何かしないといけないんですか?例えば「魔王を倒してくれ」とか?」
「いや、自分の好きなように生きてくれて構わんぞ、じゃが悪さをするのはおすすめできんのぉ」
「そんな事するつもりはありませんがぁ...じゃなんで自分を転生させてくれるんですか?」
「それはもちろんおもし...月神君が転生に耐えうる魂を持っていたからじゃ」
「...今また面白そうとか言いそうになってませんでしたか」
「いや月神君が転生に耐えうる魂を持っていたというのもほんとうじゃ!」
「今「も」って「も」って言いましたね!」
「いっ今のは言葉の綾というやつじゃ、そっそれじゃあそろそろ行ってもらおうかのぉ」
「あっ話変えました」
「うっ..そんな事は無いただめんど...時間が無いだけじゃ!」
「...はぁ~もういいです。それじゃお願いします。」
「うむ、それじゃいくぞ!」
そう神様が言うと自分の足元から青く輝く魔法陣が現れ自分を淡い光がゆっくりと包んでいく、そんな時神様から声がかかった。
「あっそうじゃ忘れとった!月神君、君に一つ聞きたい事があったんじゃ」
「何ですか?」
「君の「正義」ってなんなんじゃ?」
「えっ?」
「ほら、わしが君に話し掛ける前「正義とは」みたいなこといっとただろ」
「あぁ~そんなのきまってますよ、それは...」
「それは?」
「かわいいです!」
「えっ?」
そんな神様の声を最後に自分の意識は途絶えた。