帰り道
臨時総会が開催された。
一斉線量調査では改めて汚染が進行していることが確認されたが、やはり原因は誰も心当たりがないようだ。
旧政府からは、なぜ不正な告知が出たかは調査中との返事があった。
総会ではスクールに僕を派遣する要請が出たので即座に受任した。どういう事態か分からない為、調査期間を設けないように要望し承認された。
総会後はいつも通りルカと森に向かった。
「明日の朝、スクールに出発するんですね」
「はい。目的を達成したらすぐに帰りますから心配いりません。引き止めたいのですか」
「私は引き止めません。引き止めてもなつめさんが行きにくくなるだけですから」
「理解してくれてありがとう。おかげで気持ちよく出発できます」
「その代わりに手を繋いでもらえませんか」
彼女は初めて目を見て話してくれた。彼女と目が合った瞬間に、何か胸の奥でちくりという痛みがあった。
痛みの後に自分の中で何かがゆらりと動いた感覚がある。
「もちろん、いいですよ」
ルカが満面の笑顔になると、つられて僕も笑う。
彼女が隣に来て、手を繋いできた。
「急にどうしたんですか」
「しばらく会えなくなりますから」
「大げさですね。危険な状況だったら引き返してもいいと言われているんですから。
だって戻らないと皆に報告できないでしょう。 約束しますから。必ず戻ります」




