紙魚
紙魚は古びた紙の中に棲み、時経た文字を食べて生きている。
もう何千年と生きているこのか弱い生物にも、とうとう絶滅の時が訪れようとしていた。
近いうちに訪れる飢餓の時節の到来を本能で感じ取り、
紙魚たちは我先にと安全な場所を求め大移動を開始した。
人気の本から貴重な本へ。
新しい書架から古い書架へ。
小さい図書館から大きな図書館へ。
そうして必死に生きようとする彼らを知ってか知らずか、
生まれたばかりの電子書籍の神は電気と情報の波で次々と活字を呑み込み始めていた。
紙魚は古びた紙の中に棲み、時経た文字を食べて生きている。
もう何千年と生きているこのか弱い生物にも、とうとう絶滅の時が訪れようとしていた。
近いうちに訪れる飢餓の時節の到来を本能で感じ取り、
紙魚たちは我先にと安全な場所を求め大移動を開始した。
人気の本から貴重な本へ。
新しい書架から古い書架へ。
小さい図書館から大きな図書館へ。
そうして必死に生きようとする彼らを知ってか知らずか、
生まれたばかりの電子書籍の神は電気と情報の波で次々と活字を呑み込み始めていた。
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