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元vtuberの幼なじみには自分自身がない

作者: ヤスヤナ
掲載日:2026/01/31

自分を失った元vtuberの少女×その少女の『全て』を覚えている幼なじみの少年。


暖かいラブコメ。

『今年の方角は南南東、南南東です』


「そっか。今日は節分か」

店の放送で僕は気付く。

南南東。そこに何があるかはわからないけど、僕としてはいやらしいものじゃなく、まともなものが、あって欲しい。


などと考えながら、進もうとする。

さて、まずは、どのコーナーか。


そして、『あの子はどこのコーナーからかな』と、『あの子』目をやる。

幼なじみで、今は、僕の大切にしたい子。

一緒に買い物に来た、いつも通りのこと。


「…」

黙り、じっと、節分のチラシを見つめている。


「あ、あの?」

「…私、節分って、どうしてたっけ」

ボソリ、と。




「恵方巻、食べてたっけ。豆とか、まいてたっけ」

※真剣。だが、どこか、むなしく。


「ねえ。私、節分、どうしてたの?」

悲しそうな顔をして、僕に聞いてくる。


元人気vtuber。

中学生のときだけ活動し、高1の今は活動を卒業した、元vtuber。


そのvtuberの活動が原因で、『自分自身』を失ってしまった。


自分が何が好きだったか、何が嫌だったかが、わからない。


自己紹介で呆然と立ち尽くすくらいに。


この子は、今、『自分を取り戻す』ことをしている。

幼なじみで、この子の『全て』を知っている僕と一緒に。


「節分、ね」

「わかる? 私がどうしてたか」

節分…。




『節分だってさ』

『どうする? 何かする?』

『うーん。

恥ずかしいから何もしない』

『何もしない?』

『黙って長い恵方巻を食べるのは照れるし、豆をまくのも、何か言わないといけないんでしょ?』

『真面目だなあ』


小学生の『あのとき』を思い出す。


だが、

「君は、どうしたい?」

僕は微笑んで聞く。

「え?」

「やっぱり、恥ずかしいかな? 恵方巻とか、豆まきとか」

僕の言葉で、少し、この子は考える。


「恵方巻、一緒に食べよ?」

少し、照れながら返してくれる。


僕はドキッ! となる。


「うん。君がそうしたいなら」

うなずいて僕は返す。


別に、そのまま取り戻さなくても、今の自分とミックスしたらいいんじゃないのかな、と僕は思う。

今には今の気持ちがあるんだから。


2人で恵方巻を食べる、それは、やっぱり僕も照れるけど。


僕は恵方巻を2つ手に取った。


「スーパーから出たら食べようか」

「うんっ」

笑顔でうなずいてくれた。

ありがとうございました!

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