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7.料理一つとっても違和感

 「まぁ、図らずしも俺の無害さが証明されてしまったわけだが……」

 「そうガッカリなさらずに……とりあえずご飯にしましょうか?遅くなってしまいましたが」


 目の前にスープが注がれた木製の簡素な皿が置かれた。豆っぽかったり根野菜っぽい何かが得体の知れない肉と一緒に煮込まれている。もしかしたら自分には毒物になるかもしれない、しかし食べなければ確実に死ぬ。まさか初めての生き死にの選択がたかがスープとは……と頭の中で皮肉りながら一口啜った。味覚にも嗅覚にも特に違和感は無い。むしろ薄味だが好きな部類だった。


 「旨いな……」


 いつの日からか忘れていた食欲を刺激され、自分でも意外なほど食が進む。


 「やっぱりというか……この肉っぽいのが旨い、なんの肉だ?」


 悠真が美味しそうにスープを掻き込むのを見ていたレオンのスプーンが止まる。


 「なんの肉……?肉は肉ですが……」

 「まぁそうだよな、まさか鶏肉や牛肉が有るわけ無いもんな」

 「トリニク?ギュウニク?コチラには無い呼びわけですね」

 「あぁ、動物によって肉の種類が変わるからな」


 何気なく出した言葉に更にレオンが反応する。


 「ドウブツってなんですか?」

 「ココでは動物って言わないのかな?アレだよ、人間以外の動く生き物、空を飛んだり走り回ったり……いざ説明しようとすると難しいな」

 「僕達人間以外に動く生き物は居ませんよ」


 今度はレオンの言葉に悠真の動きが止まる。動物が居ない?じゃあこの肉はなんだ?まさか……

 先程胃に収めた食物が喉まで迫り上がってくる、最悪の予感が脳裏をよぎった。


 「……じゃあ、この肉はどこから来たんだ?」

 「それでしたら、農場から収穫したんです」


 最悪な予測を外してホッとしたが、肉を農場から収穫という言葉に猛烈な違和感を覚えずにはいられない。


 「野菜じゃ有るまいに」

 「えぇ、野菜では有りませんよ。肉ですので」

 「農場から?」

 「はい、肉ですから」

 「どうなってるんだ……」

 「僕としては、ソチラの世界の方が不思議ですけど」

 「お互い様だ……」


 人の作ってくれた飯を食うだけで、何故こんなに疲労するのだろう?と悠真は独りごちた。

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