48.異世界人という証明
意外にも早く帰ってきた助手と共に、エルに話を聞かせる悠真。改めて自分の人生を振り返り、ココ異世界に至った経緯を話す。
「……というわけで、俺はこの世界の住人じゃ無いんだが、まぁ信じられないだろうなぁ」
疑われて当然と思って表情を伺うが、助手はダルそうに壁にもたれかかっているだけでエルの方は足をブラブラさせて何事か考えているのやらいないのやら。
「あの状況で嘘をつくわけ無いと思うけど、本人が真実だと思い込んでる可能性も有るからねぇ」
「第三者からしたらそうだよな、俺だって同じ立場ならそう思う。俺の妄想じゃないって証明は難しいよなぁ」
その時、壁から重心をズラした助手が人差し指を立てた。
「証明の方法は一つ有るッスよ、物語を話して欲しいッス。コッチには広まって無さそうな……でもユーマ氏の頭の中に有る物語を」
「それくらいならお安い御用だが……どれくらい話したら良い?」
「多ければ多いほど良いッスね」
「分かった、頃合いを見てストップをかけてくれ」
そして悠真は語りだした、幸い昔から漫画を始めラノベなど複数の作品を読んでいたことも有り、全てを完璧に……とは行かないがつっかえながら質問を受けながらもなんとか物語を紡ぐ。とは言え、自分の記憶を掘り出すだけなのでオリジナルを一から創るより余程容易かった。口が疲れ喉が乾くくらいに語っていると、助手からストップをかけられた。
「もう良いッス、だいぶ情報が溜まったんで」
「どうだった?」
「ウチとしては、妄想癖の人間がその膨大な量の作品を今語った整合性で話せる確率はゼロッスね。変な荒が無いッス。それでいてウチが知ってる物語が一つも無いのが異常ッス……博士は?」
「同意見だねー、ぼくも知らないし。そもそもそんな発想できる概念が無いし……君、本当に異世界の人じゃない?」
「少なくとも……俺の自認では?」
またもやガシッと両の頬を掴まれる、助手が慌てて剥がそうとするが引き剥がせない。しかし先ほどとは違い狂気では無く興味と好奇心からメガネが輝いている。
「じゃー今度は君の世界の技術について教えてもらおうか!!法則と整合性は嘘をつかない!!」
「博士!離すッス!!まさか……ウチの居ないときにやって無いでしょうね!?」
「やられまひた……」
「博士ー!!」




