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39.実に不本意

自分より僅かに背が低く、見下ろすとサラサラとした蒼いショートヘアーが目に入る。目は大きくクルクルとよく動き、表情全てで感情を物語る。身体つきは一見すると細身だがその実しなやかな筋肉に包まれており、まるでヒョウやチーターのような大型の猫科を思わせる。歳の頃は二十五前後であり、異世界の住民は大抵美男美女なので、多分平均的な顔立ちなのだろうが個人的には可愛い部類に入ると思う。

 ソレが、遊真が見たセリアの印象だった。詰まるとこと年下の可愛い女の子、である。


 (なんで俺、年下の女の子から説教されてるんだろう?)


 「なんか言った!?」

 「いえ、なんでも有りませんセリア嬢」


 場所はレオン宅、いつものメンバーが集まった際何となくココ最近の無能さをボヤいたところ、説教に至ったのである。


 「んで、なにがどうしてアンタのせいなわけ?」


 腕を組み、瞼が半分下がり大きな目を覆うジト目で睨みつけてくる。目線は下からなのに圧力は上から感じた。


 「いやぁ……ソレイユさんが言うには、俺は魔術を向上させる技術?が有るらしいじゃん?」

 「らしい、じゃなくて有るのよ」

 「じゃあさ、俺がもっと頑張ってたらこの前の戦いの犠牲者が減ってたかもしれないわけで……」

 「で?」


 相変わらずイライラしたように人差し指で腕をトントンと叩いている。


 「ということはつまり、俺が手を抜いたせいで犠牲者が増えて……」

 「増えてないっ!」


 堪えかねたように平手で机をバンッ!と叩いた。実際感情の閾値を越えているのだろう。


 「アンタね……じゃあアタシが手を抜いたせいで犠牲者が増えたって言ったらどうすんのよ?」

 「ハハハ、何を言ってるんだいセリア?俺はお前を信用してる。お前は戦闘で手を抜くような人間じゃないし……抜くとしたら余程の理由が有るんだろうから、責めやしないさ……」

 「その言葉をなんで自分に向けられないのよ?」

 「俺は、お前とは、違う!」


 瞬間、セリアの手のひらが悠真の頭に振り落とされ、スパァン!と気持ちの良い音が鳴った。


 「威張って言うなっ!」

 「痛い!暴力反対!」

 「あーもう!!イライラする!ガルド!ちょっと付き合って!」

 「良いが……どうした?」

 「頭冷やしたいから!」


 比較的小柄なセリアがどのような技術を持ってしてか、大柄なガルドを引き摺って外に出ていく。残されたレオンは悠真を見て大きな溜め息を吐いた。


 「またやっちゃいましたね……」

 「不本意だ!」

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