2.現実との剥離
暗闇からズルリと意識が立ち上がる。最初に気づいたのは背中の違和感だった。
(ジットリしてる、気色悪いな……寝汗か?)
手を付いて体を起こしてみると、いつもと感触が違う。
(なんだコレ……?地面……?)
見渡すと、辺り一層には木々が生い茂り視線を遮っている。故郷の人の手入れがされていない深くて荒々しい自然を思い出した。しばらく思考が停止し、何故?とかどうして?という疑問が湧き上がってくる。
(参ったな、新しい薬が合わなかったか?夢遊病かも知れん……)
とりあえず体中のポケットを探ってはみたものの、何も入っていない。
(くそ……財布もスマホも無しか……靴すら履いてな……ん?)
足の裏をよく見ると、ココまで歩いてきたにしてはやけに綺麗だ、傷一つ付いてない。訝しく思いながらもとりあえず歩き出す。オーイ、とか。誰かーなどと声を上げながら。現実味の無い光景と現状に体がフワフワしている。しばらく歩いていると、茂みの方からガサガサと音が聞こえた。
「!?人か!?助かった……」
しかし彼の目の前に飛び込んできたのは、緑で半透明でドロリとした……
「スライム……?は?」
そう、子供のおもちゃでもゲームのキャラでも有名なある種見慣れたスライムだった、違うのは、生きて目の前で動いていること。
「いよいよ俺の頭がおかしくなったのか?」
目の前のスライムは戸惑う悠真を気に留める様子もなく、ユックリと這いずり遠ざかっていく。その様を見て呆然と立ち尽くすしか無かった。




