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17.水には固さが有る

 「んじゃあ次はセリアお嬢」

 「アタシはあんな派手な魔術要らないわよ」

 「いや、次は魔術ってよりどれだけ水を操作できるか見てみたい。出せるか?」

 「簡単よ、こんな感じでどう?」


 今度はセリアの手のひらに、水が球体となって現れる。なんなら上下左右に動かして見せた。


 「へぇ、上手いもんだなあ。皆そうなのか?」


 感心した悠真が感想を零すと、腕を擦っていたレオンが答えた。


 「まさか、セリアさんのセンスと技術が有ってこそですよ」

 「セリア凄いんだな」

 「ふふーん、まあね」


 得意げに胸を張るセリアをジッと見る悠真。


 「ソレ丸っこいけど、板みたいに出来るか?」

 「できるわよ」


 言うが早いか、見る間に水の塊が形を変える。悠真が指先で触れてみると抵抗も無く入り込む。


 「ありがとう、この形のまま……そうだな、外側からグッと力を入れる感じで出来るか?」

 「変なこと言うわね?やってみるけど」


 セリアが力み全身が軽く固くなる。そして板状になった水に再度悠真が触れた。


 「よし、ガルド。コレを殴ってみてくれ」

 「そんなもん、突き抜けちまうぞ」

 「良いから良いから」


 不思議そうに首を傾げたガルドが、軽く拳を振るう。ゴンッ!!という重たい音が辺りに響いた。


 「そらぁ、水に圧力を加えたらそうなるよなあ」


 一人納得する悠真に、三者三様の目線が注がれた。


 「アンタ……なにしたの?」

 「俺じゃないですー、魔術を使ったのはセリアですー」

 「ユーマさん、明らかにアナタの助言のせいですよ」

 「そんな不思議な事では有るまい。物理を習って無い……無いよなあきっと……」


 セリアの集中力が切れ、バシャア!という音を立てて水が飛び散った。


 「ユーマ……アンタってさ……」

 「なんだ?」

 「不気味ね……」


 ジトッとした目で悠真を睨むセリアとは対照的に、ガルドが愉快そうに笑っている。


 「オレはオッサン好きだぜ!面白いからな!」

 「男に好かれても嬉しくは無いな」


 バシバシと背中を叩かれながら悠真は溜め息を吐いた。

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