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16.悠真の愉快な魔術講座

「それで……だ」


 悠真含め四人は、湖のほとりに来ていた。辺りに人影は無く風が水面を撫でる音が静かに鳴っている。


 「なんで俺が魔術を教えにゃならんのだ」

  

 気怠げにボヤく悠真をセリアの鋭い眼光が貫く。


 「アンタしかいないからよ、聞いたわよ?レオンに教えたらしいじゃない」

 「アレは勝手にレオンがやって出来ただけですー」

 「元の原因はアンタじゃないのよ」

 「オレも色々と聞きたいしな、魔術の種類が増えるなら、戦術も広がる」

 「ガルドにはもう教えただろう?勝手に応用してくれよ……」

 「オッサンに聞いたほうが手っ取り早い!」


 力強く言い切るガルドに悠真はヤレヤレと首を振った。


 「それじゃあセリア、何か簡単な魔術を使えるか?」

 「そうね……こんなのはどうかしら?」


 そしてセリアが呪文の詠唱に入る、右腕を真っ直ぐに伸ばして人差し指を湖に向ける。


 「断て、選別せよ――セヴァランス・タイド!」


 掛け声と共に指先から細い一筋の水流が一直線に射出された、地を削り湖を裂き最後は空に伸びる。


 「お前……簡単って言ったろ?」

 「簡単よ、一つしか出してないじゃない」


 呆れる悠真にセリアは澄まし顔で答えた。


 「んー、じゃあレオン。試しに同じ事をやってくれるか?」

 「僕ですか?とてもセリアさんのようにはいきませんが……」

 「いいからいいから、何事も経験だ」


 レオンが同じ様に呪文を詠唱するが、射出された水の勢いは明らかに弱く途中で霧のように空気中に拡散した。


 「まぁ、コレが限界ですね」

 「あー……なるほど?」


 しばらく黙って何事か考えた悠真が顔を上げた。


 「よし、レオン。右手を出して構えてくれ」

 「こうですか?」


悠真は渾身のパンチをレオンの手のひらに放った。ペチン!という音がして体が軽く揺れる、殴られた本人は平然としていた。


 「殴った俺の方が痛い……お前らどういう体の作りしてるんだよ……」

 「いったい何をしてるんですか?」

 「今の衝撃と反動を覚えてくれ、その上でさっきのセヴァランスイタイド?をやってくれないか」

 「セヴァランスタイドよ、イタイドってなによ」

 「……分かりました」


 呪文の詠唱に入ろうとしたレオンを悠真が止めた。


 「あぁ、指先から出すんじゃなく、手のひらを使うイメージで。水が集まって限界まで凝縮して……さっきの衝撃を感じるくらいに勢いよく出す感じ」


 言われたままにレオンが行動に移る。手のひらにジワジワと水が集まり塊が生じる。


 「セヴァランスタイド!!」


 瞬間、ドパァン!!という派手な音と共に水の塊が空高く吹っ飛んでいく、反動でレオンの半身が後ろにズレる。


 「おぉー、レオン凄いな。セヴァランスタイド成功ー」


 驚愕する三人を余所に悠真が呑気に水の塊の行方を眺めていた。


 「もう別の魔術よアレ、なんならセヴァランスイタイドで良いわよ……」


 呆然とセリアが呟いた。


 「そんで、レオンは水魔術使えそうか?」

 「いえ……とても無理ですね。そう何度も使えませんよ。実用には不向きです」

 「そうかー……残念」


 肩を落とす悠真をセリアが睨みつけた。


 「あのね、普通は他の属性があんな威力出せる方がおかしいんだからね」

 「事実出せたじゃないか、レオン凄い!!」

 「アンタが異常なのよ!!自覚持ちなさいよ!!」


 静かな湖畔にセリアの叫びが響き渡った。

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