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15.つまるところ魔術とは

とある日、悠真は洗濯物を干していた。


 (まさか石鹸らしきものが有るとは驚きだったな、泡立ちが絶望的に悪いけど)


 悠真はレオンに頼み込んで魔術を使わなくてもできる家事を一通り教えてもらっていた。


 (俺如きがやっても無意味だろうが、やらないよりはマシだしな)


 シワが出ないようにできるだけ服を伸ばしていると、レオンが近くに寄ってきた。


 「悠真さん、いつもありがとうございます」

 「いや、むしろ作業を任せてくれて助かるよ」

 「ところで、コチラを見て欲しいんですが」


 レオンが掌を差し出すと、炎が燃え上がった。ガルドには及ばないが最初に見せてもらったときより火力は上がっている……が、すぐに消される。


 「何だ?魔術を使えない俺に自慢か?」

 「違いますよ、相変わらず卑屈ですね。以前ユーマさんがガルドさんに教えていたことを実践してみたんです」


 悠真の記憶から先日の情景が引っ張り出される。あーそう言えばそんなことも有ったなぁと思っていると。


 「どういうことか分かってないようですね?」

 「正直、話の意図は読めて無いな」


 両手を軽く挙げ降参のポーズを取る。


 「火属性のガルドさんならまだしも、木属性の僕にも通用したということですよ。つまり……他の人に対しても汎用性がある」

 「それは……とても良いことで?」


 いまいち理解しきれていない悠真を前に、焦れたようにレオンが言葉を重ねた。


 「今まで魔術を使ってきた人はいますが、魔術を改善させる人はいませんでした」

 「あーまあな。レオン達って魔術が身近過ぎて頭が回らなかったんだろう、ドンマイ」

 「軽く言ってますけどね、本来向いていない魔術を使うのはとても非効率なんです。ユーマさんはその効率性を向上させた……魔術を使う負荷を軽くしたんです。つまり、同じ魔術を使っても消耗を抑えられる」


 一呼吸入れたレオンにどう返事して良いものか悩んだ悠真が咄嗟に言葉を吐き出す。


 「良かったじゃないか」

 「えぇ、とても良いことです。コレで死の危険性が減るでしょう」


 魔術と死ぬことがつながるイメージが掴めない悠真の顔に、疑問という感情が貼り付けられている。


 「どういうことだ?あぁ、疲れにくくなるからか?」

 「半分当たりです。魔術は使えば使うほど感情を消耗します」


 感情の消耗と聞いて、無意識に悠真は以前の日常を思い出した。感情が死んでベッドの上で息をするだけの存在だったあの頃を。


 「それはしんどいな」

 「ええ、最悪衰弱して死に至りますので」

 「そんなに影響が有るのか?」

 「少なくとも、僕達にとっては」


 両者の間にしばし沈黙が流れた。

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