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13.水は水

日が暮れ始める頃、一行はレオンの家に辿り着いた。悠真がノッカーで扉を叩く。


 「レオン、俺だ……あとセリアとガルドもいる」

 「おや、コレは勢揃いで、おかえりなさい」


 自然と、ガルドの肩に担ぎ上げられたセリアに目線が行く。


 「またですか……」

 「そうだ、ちょっと部屋を借りるぞ」

 「どうぞ」


 どうやらガルドとレオンは顔馴染みらしく、慣れた様子で室内に入っていった。扉を支えていた悠真が遅れて続く。ガルドがセリアを背もたれの有る長椅子に寝かせると、ポケットから小瓶を取り出し蓋を開け渡した、ハーブやスパイスのような香りが辺りに漂う。悠真が興味を持ち質問した。


 「なんだそれ?」

 「オレの馴染みの店の回復薬だ、よく効くぞ」

 「へぇ……見せてもらっても良いか?」

 「構わんが、割るなよ。瓶は店に返さなきゃならんからな」


 悠真は、セリアが飲み干した後のガラス製の空瓶を受け取った。350mlのペットボトルのようなフォルムに直接インクで何か書かれていて、その中の一つの単語が目に引っかかる。


 「ウォーター?」


 どのような技術なのかは分からないが、 ツルツルとした表面にインクが定着しており、英語で「WATER」と書かれている。


 「何か気になることでも?」

 「なぁレオン、これなんて読む?」


 悠真が指し示した人差し指の先をジッと見つめる。


 「ウォーターですね」

 「なるほどな、文字に分解すると?」

 「それぞれ、W・A・T・E・R……ですね」

 「意味は?」

 「水ですが……」


 しばし考え込んだ悠真がフト言葉を漏らす。


 「WATER」


 意外にもソレは流暢な英語発音だった。英語が堪能な訳では無いが、何となしに音で覚えていた発音だ。しかしレオンの反応は。


 「ゥワーラー?急にどうしました?」

 「いや、いいんだ……気にしないでくれ、独り言だ」


 (さっきの魔術の詠唱でも気になったが、カタカナ発音なんだよなぁ……しかし英語自体は有る)


 いつものクセでつい、思考が深く沈み込もうとしている悠真の意識を、レオンの言葉が引っ張り上げる。


 「ところでユーマさん、座らないのですか?」

 「ん?あぁ。セリアの前では気が咎めてな」


 長椅子に仰向けに横たわっていたセリアが低く呻いた。


 「アンタって本当……変なところ気にするわね、良いから座りなさいよ」

 「そうだぞオッサン、そんな貧弱な体で無理してどうする」

 「しかしだなぁ、さっきの戦闘で一切役に立ってない俺が座るのはどうかと……」


 微かな抵抗を見せた悠真だったが。


 「ユーマさんが座らないと、僕も立ってなければならないのですよ?」


 レオンの言葉に渋々従った。

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