1.圧倒的な灰色
本作は、設定整理や発想補助の一部に生成AI(ChatGPT)を使用していますが、本文および表現はすべて作者自身によるものです。
自宅にて、一人の男が椅子に座り込み……PCで動画を見ている。目的もなくただひたすらに消費するのみ。歳の頃は三十歳前後、痩せ型で猫背で……そして表情が死んでいる。
(アレ?俺の世界っていつからこんなに色褪せてたっけ?)
目の前に次々流されるオススメ動画をただただボーっと眺める倉本悠真。生きたい訳では無くただ死にたくないから存在しているだけ……。そんな悠真がなんとなしに気になった動画のサムネイルをクリックし再生される。
(都市伝説……飽きた?)
紙に書かれた六芒星の中に赤ペンで「飽きた」と書き枕の下に入れていると、段々と世界のほうがズレていくという。
(十年も前の都市伝説か……アホらしい)
しかし一旦閉じた動画はどうにも脳内にこびりつき、気になって仕方がない。
(まぁ、コレで変わるんならソレはソレで良いか、変わるのが俺でも世界でもどっちでも良い)
気晴らしと微かに残った好奇心が悠真を動かす。適当にメモ紙を千切り取り六芒星と文字を書き枕の下に入れる。睡眠薬を飲み強制的に意識を暗闇へと叩き込んだ。
一日経ち二日経ち、当然世界が変わる気配はない、当の本人もスッカリ忘れ去っていたそんな中。
(最近どうにも薬の効きが悪いな、またか……面倒くさい)
些細な、とてもとても些細な出来事だった、いつも飲んでいた薬が効かないというズレを、悠真は過去の経験から日常の中の一つとして処理した。
(先生に言って変えてもらうか)
病院に行く道すがら、違和感がつきまとう。空気がネットリと重く纏わりつくような怠さ。
(やっぱり調子悪いな、悪化したか?)
単なる病状の悪化と捉え、帰路につく。いつものルーチンを終え新しい薬を飲む。それが決定的なトリガーだった。枕の下の「飽きた」新しい薬による一時的な精神の変容と意識の強制的なシャットダウンにより、倉本悠真は何かと……いや、どこかと噛み合った。噛み合ってしまった。




