ここは何処?
目を覚ました少女は、周りを見渡して自分が牢のような、いや、実際には牢なのであろう場所にいる事に気づいた。身体は椅子に拘束され、左足と首にはそれぞれ足枷と首輪のような機械が嵌められていた。
カッ…カッ…
もがいても拘束は緩む気配は無かった。
そのとき、扉の外に誰かが来る気配があった。
「基地司令殿!」
「後にしろ。報告のあった個体を見に来た。」
「はっ!ただいま!」
ガチャッ…
目の前の重そうな鉄扉が音を立てて開いた。
向こうから男たちが入ってきた。武装し、不思議なゴーグルをつけた人が4人と、モノクルをつけた少し太った階級の高そうな男だった。
兵士達は扉の両脇に佇むと、太った男だけが近づいてきた。
「こいつが、今回鹵獲した逸れ個体か…」
腰の伸縮式警棒を徐に取り、小さく振って伸ばした。
「おい!例の装置は正常に働いているな!?」
「はっ!魔導反応、確認できません」
男は後ろの兵士に尋ね、答えを聞き満足そうに頷いた後、少女の顎を掬い、舐め回すように見た。
「貴様の機体番号は?」
「あの、それってどういう…」
訳も分からず私は、つい目の前の人に聞こうと言葉を発した。
その瞬間、男の目は吊り上がり、握りしめていた警棒を振り下ろした。
「黙れ!聞かれた事だけに答えろ!貴様らにッ、私の部下がッ、何人ッ、殺されたとッ!犬に噛まれたくらいでは血の一滴も流さない鉄人形め!」
何度も殴られ、視界が揺れるが痛みよりも、なぜ自分が理不尽に殴られているのか恐怖が打ち勝った。
ついでとばかりに加えて2、3発殴られ、スタミナが尽きたか肩で息をしながら、男は喉奥に警棒を刺してきた。
「はぁ..はぁ..次一言でも許可なく“お喋り”してみろ。呪文を唱える間もなくその首を吹き飛ばしてやる」
私の目を睨み付けながら、荒く息を吐いて、後ろを振り返る。
「今ので魔導反応は?」
「見られません」
男はその返答を聞いて不気味なものを見る様な目で私を見る。
「それで、データの回収が難航しているというのは?」
語気荒く訊くと、一人が答えづらそうに応答する
「はっ..それが、この個体にはコネクタが見つかりませんでした。ですから、マスターキーが使用出来ず…」
「ちっ…なら、現状こいつは特殊個体の可能性が高い。今すぐこれの口を塞いでおけ。縫ってでも灼いてでもだ。それと、魔術研への移送手配もしておけ!」
私は喉奥の感触にえずきながら、ただ震えていた。




