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銑鉄のワルキューレ  作者: 駄作卍
3/28

ここは何処?

目を覚ました少女は、周りを見渡して自分が牢のような、いや、実際には牢なのであろう場所にいる事に気づいた。身体は椅子に拘束され、左足と首にはそれぞれ足枷と首輪のような機械が嵌められていた。

カッ…カッ…

もがいても拘束は緩む気配は無かった。

そのとき、扉の外に誰かが来る気配があった。

「基地司令殿!」

「後にしろ。報告のあった個体を見に来た。」

「はっ!ただいま!」

ガチャッ…

目の前の重そうな鉄扉が音を立てて開いた。

向こうから男たちが入ってきた。武装し、不思議なゴーグルをつけた人が4人と、モノクルをつけた少し太った階級の高そうな男だった。

兵士達は扉の両脇に佇むと、太った男だけが近づいてきた。

「こいつが、今回鹵獲した逸れ個体か…」

腰の伸縮式警棒を徐に取り、小さく振って伸ばした。

「おい!例の装置は正常に働いているな!?」

「はっ!魔導反応、確認できません」

男は後ろの兵士に尋ね、答えを聞き満足そうに頷いた後、少女の顎を掬い、舐め回すように見た。

「貴様の機体番号は?」

「あの、それってどういう…」

訳も分からず私は、つい目の前の人に聞こうと言葉を発した。

その瞬間、男の目は吊り上がり、握りしめていた警棒を振り下ろした。

「黙れ!聞かれた事だけに答えろ!貴様らにッ、私の部下がッ、何人ッ、殺されたとッ!犬に噛まれたくらいでは血の一滴も流さない鉄人形め!」

何度も殴られ、視界が揺れるが痛みよりも、なぜ自分が理不尽に殴られているのか恐怖が打ち勝った。

ついでとばかりに加えて2、3発殴られ、スタミナが尽きたか肩で息をしながら、男は喉奥に警棒を刺してきた。

「はぁ..はぁ..次一言でも許可なく“お喋り”してみろ。呪文を唱える間もなくその首を吹き飛ばしてやる」

私の目を睨み付けながら、荒く息を吐いて、後ろを振り返る。

「今ので魔導反応は?」

「見られません」

男はその返答を聞いて不気味なものを見る様な目で私を見る。

「それで、データの回収が難航しているというのは?」

語気荒く訊くと、一人が答えづらそうに応答する

「はっ..それが、この個体にはコネクタが見つかりませんでした。ですから、マスターキーが使用出来ず…」

「ちっ…なら、現状こいつは特殊個体の可能性が高い。今すぐこれの口を塞いでおけ。縫ってでも灼いてでもだ。それと、魔術研への移送手配もしておけ!」

私は喉奥の感触にえずきながら、ただ震えていた。


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