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誰にも迷惑をかけずに死にたい

作者: 村上

普通に死ぬのも、意外と難しいものだ。

どうしても色々な所に迷惑をかけて、痕跡が残ってしまう。

たかだか、自分一人程度なのに、こんなに影響があるのかと、思ってしまう。

自分が死ぬ分には、別に良いのだが、色々な所に迷惑をかける。

死体の始末等々、後処理が面倒臭いだろう。

残った人達に、自分なんかの後始末をさせてしまうのが申し訳ない。

別にそんなこと関係ないといって死ぬ人もいるのだろうが、自分はそういう性分なのだ。

そんなこと考え続けてきた。

となるとだ、何かしら罪を犯して死刑になるというのは、ある意味、理屈としては、正しいようにも思えてきた。

きちんと死体の後始末もして貰えるはずである。電車に飛び込んだりするより、孤独死して腐敗してから見つかるなんかよりも、世間的には、色々な迷惑を掛けずに、死ぬことができる。

自分が死ぬ分には。

その前に死刑になるほどの、迷惑を掛けることになるのが問題なのだ。

だから、本当は合法に安楽死できたら良いのに。

だが、この国では認められていない。

哀しい事に。

今の自分の現状から整理して考えてみた。

まず、自分には同居している家族はいない。

一人暮らしである。

となると、まずは会社に迷惑がかかる。

ほぼ毎日、出社しているのだ。

ある日突然、何の連絡もなしに来なくなったら、不審に思うだろう。

といっても、会社も安い給料で扱き使っているのだから、そのくらいでイーブンな関係なのではないか。

恩義を感じる必要もないか。

バックレ気味でも良いだろう。

さっさといなくなって気にしないことも可能だと思うが、少しは気にかける。

会社に迷惑を掛けない、とそうなると、働く前に死ぬべきだったか。

もしくは、辞めてから死ぬべきか。

これから、死ぬことは、すぐにやろうと簡単に思えばできる。

だから、過去を振り返って反省することとしよう。

死んでも良いやと思えるタイミングがあったかどうかだ。

学生の頃、死にたいと思うこともあったが、まだ死ななくて良いやと思えていた。

まだ将来になんとなく、希望のようなものがあった。

それにここまで生きたのだから、もったいないみたいな、なんか、社会に出る前に死ぬのも、違うかと。

でも、今思えばそれも間違いだった。

会社勤めなんてする、いわゆる社会なんかに出る前に、死んでいれば良かった。

だから、学校さえ行かずに死ねば良かった。

となるといつまで遡れば良いんだ?

そうか、だから、僕はそもそも生まれてくるべきではなかったんだ。

誰なんだよ。

勝手に僕のことを産んだのは。

親か。

勝手に産みやがって。

親が死ぬ前に死ぬのは、一般的に不幸であるともいわれる。

でも、親もそのうち死ぬし。

親が死んでから、自分が死ぬんじゃ遅すぎる。

さてだ、これまで自ら死ぬようなタイミングは無かった。

だから、やっぱり、これから前向きになって死んで行こう。

色々と清算してから死ぬのが良いのだろうが。

だが、そこまでするのが面倒くさい。

自分の死に労力をかけるのなんて、馬鹿らしい。

用意周到に、居なくなることなんて、できない。

だから、突然、思い立ったように自殺なんてするのだ。

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