俺、転生?!
「嘘だろー。俺、お、お、女になってるー!」
この世界での第一声がコレである。
自室の鏡を見て叫んでたら、扉が空き獣耳でメイド服の女性が現れる。彼女は、俺を見て
「お嬢様どうされましたか?あっ、まさか悪いものでも食べたのですか?」
この体の記憶を頼りに、なかなかに毒舌である彼女の名前を言いながら答えた。
「サラ、大丈夫。少し驚いただけです。」
話していて、驚いた。話す言葉、所作が丁寧になってることに。
あれから数日が立った。
色々整理をしてこの世界のことが分かってきた。
俺は、元の世界で軽トラに轢かれて死んでしまった男子高校生だった。流行りのトラ転でなく軽トラってなんだよ!
まぁそこは置いておいて、この世界エルカドールと言うらしい。エルカドールは、人族、ドワーフ族、エルフ族、魔族、魚人族、そして俺の姿である獣人族に大まかに分かれる。
各種族には、国があるが管理がしやすい様にするためだそうだ。
俺は、この獣人国サファール国の財政を担っている公爵家の娘フィリーナ・フォード、歳は9歳、4人兄弟の3番目でフォード家唯一の一人娘だった。目の色はアメジスト、プラチナブロンドで長い髪、耳としっぽもプラチナブロンドの容姿をしている。
俺の容姿は、基本容姿は父親似であるが、唯一母譲りなのが目の色である。けれど髪の色は、祖母の色であった。
ありがたかったのは前世記憶が戻る前の、ここでの生活の記憶があることだった。
その日の夜
俺は今家族で夕食を食べている。
目の前に座っている、ブロンドの髪でルビーの目をしているのが、1番上の兄であるルートヴィヒ、16歳。
その横にいるのが、オレンジ寄りの赤毛でサファイヤの目をしているラフェル13歳、2番目の兄である。
俺の右横にいるのが、6歳の弟ロバート。赤毛でアメジストの目をしている。
俺の左にいるのが、母親のサーランである。ブロンドでアメジストの目をしていてとても俺たち4人の母親とは思えない美貌をしている。
俗に言うお誕生日席にいるのがこの家の主であり、俺たちの父親であるブライト。赤毛で目もルビーの色をしている。
家族の顔を横目に食事を食べていると、父が喋りだした。
「フィリーナ。もうすぐ学園に入学だな。言い忘れいたが、皇太子殿下、辺境伯令息、各国の皇子たちが同時に入学するから気を付けなさい。くれぐれも、関わらないように!」
「あらあら、大変ね。リーナ絶対に皇太子達に関わっちゃダメよ!貴方は可愛いから皆に狙われるからね!」
父も母も、関わらないように念を押してきた。
そしたら、ルート兄さんが悔しそうに
「なんで、俺はリーナとは違う学園なんだよ!一緒だったらずーっと可愛いがって守ったのに!」
「ルート兄さんいいだろ。俺はリーナと一緒に過ごせるからな!リーナ!楽しみだな。」
俺はフェル兄さんの言葉に苦笑いしていた。
「いいな。僕もお姉ちゃんと一緒に居たい。」
ロバートが俺の腕に抱きつき、上目遣いでこちらを見てきた。
俺は、ロバートの可愛い姿に心が揺さぶられた。
俺が声をかけようとすると
「ロバートだけ、抱きつくのずるいわ。ママだってリーナに抱きついちゃお」
母も抱きついて来た。目の前にいた兄たちがガタッと音を立てながら立ち
「母上、ロバート、リーナに抱きつくなんてズルい!」
「兄さんたち(いいでしょ)」
ロバートは口パクでにっこりと笑いながら2人の方を見た。
「あら、2人もリーナに抱きつきたいの?」
母は、確信犯のように微笑んでいた。
「いい加減にしなさい。」
「「「「はーい」」」」
2人は俺からやっと離れてくれた。
さすが鶴の一声すごいなと父の方を見ると、分かりにくく羨ましそうな顔をしていた。
(父よお主もか…)
それから数日が立ち、俺の学園に入学する日になった。
俺は、サラに手伝って貰い制服を着ていた。
「サラ、ありがとう。どうかしら?」
「お嬢様、孫にも衣装でございます。学園に持っていく荷物も準備出来ております。」
「孫にも衣装って・・・分かったわ。そろそろ行かないとね。」
サラと一緒に部屋を出て、玄関前に止まっている馬車に向かう。
「リーナ、いってらしゃい。気をつけるのよ。」
母とロバートが見送りをしに、部屋から出てきた。
「お姉ちゃん。休みには帰ってくるよね...」
ロバートは、俺に抱きつきウルウルの上目遣いで言った。
「勿論、帰ってくるわよ。ロバート、お母様行ってきます。」
俺は馬車に乗り、学園に向かったのであった。
初めまして。
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