♯3 転移して10分でバトる!(1)
聖女になると決めたリノン。
このまま異世界転移の波にノッていきます!
ファリーリーとあーしがアツい視線を交わす。
「そうこなくては! 早速ですが、霊体を肉体へと戻しますよっ」
「ああ、ソッコーで頼むっ」
ファリーリーの右手人差し指がパアッと光りだして、あーしに向けてなんか物凄えビームを撃ってくる!
「うぉっ! やられたぁー!?」
「やってません! アナタを私の力で、純粋な霊的エナジーの形へ昇華しているんですっ」
霊的エナジーって、そんな知らん単語を急に出されても分かんねっつーの。
「再び肉体へと戻る為には、必要な事ですから!」
そーこーしてる内に、実体に近い見た目だったあーしの姿が変化してきた。
まず服が吹っ飛ぶ。それと同時に全身輝いて、あーし自体が光の化身みてーな見た目になった。
全裸!? ――って焦ったけど、そもそも霊体なのに服を着てる方がおかしかったのかもしれない。
あー、服を着てる形や普通の肌のように見せてたから、純粋じゃあ無かったってことなのかな?
「概ねそんな所ですリノンさん。さあいきますよ、ソウルフル・リザレクション!!」
ファリーリーがバンドの新曲かって感じの言葉を叫んだと同時に、あーしはいよいよ光そのものって感じになって、実体目掛けて超スピードで突入したっ!!
――――――ッ!!
「……ぷはぁっ!! あーし、ふっかーーーつ!!」
ヤバイ、立ち上がりながら思わずノリで叫んじゃうくらい、サイッコーに晴れ晴れした気分だわ!
あーし、マジで生きてるっ。
両手の指先にまでみなぎる生命力の実感。
肌を包むブラウスシャツの質感。
それに股がスースーするミニスカならではのこの感触ぅっ!
「ファリーリー、あーし生きてるよっ!」
「それだけじゃなく、アナタはもう魔力を使えるようにもなってますっ」
「マジかっ。――いや、確かに自分でも感じるかもっ!」
「試してみますか?」
「いや、それはいーわ。それよりもあーしは早くゼルトユニアを見てみてぇんだっ」
「ふふっ、個別指導はスルーする派なんですね。それもまた良いでしょー」
その空気読みスピード、マジ助かるぜファリーリー。
けどあーしホントに今、めっちゃテンションアガってんだっ。
ほんの十数分とはいえ、肉体を離れてみて分かった。生きてるってそれだけで素晴らしいって!
「ではこのままゼルトユニアへと転移してもらいます。私も信頼しているファリシア寺院の高司祭デゼルの元に降りるよーにしますから、彼を頼りにしてくださいねっ」
「デゼルだな、分かった!」
「それではリノンさん、アナタの活躍が異世界転移の新たな伝説とならんことをっ!!」
その言葉の後、あーしの足下にキラキラした光の模様が描かれた円が出てきて……。
そこから湧き上がった光に、あーしの体は溶け込んでった――。
――(2)につづく!――
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