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七話 でーと1回目


俺たちは水族館へ来ていた。


 水族館と言っても東京の大都会の中にある水族館だ。

 地方のデカい土地が有り、歩くだけでも結構な時間が掛かり種類も沢山。

 なんていう程では無いが、適度には楽しめそうだ。


ここに来たいと言い出したのは当然彼女の方だ。

 別に水族館が嫌いな訳では無いが、わざわざ男3.4人で来るなんてシュチュエーションはなかなか無いだろう。


「私、紗烙くんと水族館来れる今日をすっごい楽しみにしてたの!!」


「へ、へぇ〜そっか……それは…………良かった」



「うん!」


 すごく楽しそうな彼女を見て少し緊張が解ける。

 何だかここまで楽しみにしてくれていると上手くリード出来ない不甲斐無さも覚える。

休日だからだろう、チケット売り窓口は複数設置されているがどこも10人以上の長蛇の列だ。



「ちょっと行ってくるから、夢乃さんは待っててよ!」



「あっうん。そうだね。じゃあそこで待ってるから」

 


 チケットの列に並び、その間彼女には列から外れた場所で待っててもらうことにした。

 今日一日会話が持つのか、そもそも自分なんかが、隣に居て良いのか等ネガティブな事ばかりが浮かぶが考え出したらキリが無いので考える事をやめる。



「お待たせ!行こうか」



「ありがとう紗烙くん!」



無邪気に笑う彼女を見て胸が高まった。

産まれて初めての気持ち、今まで生きて来た中でこんな風な気持ちになった事は無かった。


「なぁにボーッとしてるのかな?ほら、いこっ?」

 


「っあぇ!!は、はいぃ!」


 やっぱり夢のらむという女の子は男子に対して相当慣れがあるのだろうと思った。

こういう童貞の扱いは朝飯前なのか、ボーッと考えている俺の手を自然と取り、ギュッと俗に言う恋人繋ぎ

の形で握れば、行こうと声をかけてくる。


 いきなりな出来事に素っ頓狂な声を出しながらもリードしてくれる彼女へついて行く。


「っはは!どうしたの紗烙くん?声……裏返ってるよ?」


「いや、ごめん!こういうの本当に慣れてなくて俺!」


   「そうなんだね、なんか……ごめんね。いきなりこんな事、して?」


ピタッと、立ち止まると顔を覗き込んで来る。

 心臓がいくつあっても持たない、恐るべしあざとい系女子!!


 

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