不死鳥祭開幕!
文化祭、この学校では不死鳥祭という呼称が与えられている。
その1日め。
「さあて配るわよ!」
チカゲの仮面を着けて、やる気満々のミトが言った。
仮面小説部の部員たちは僕の著書『仮面少女の正体は妹』のコスプレをしている。まひるが用意した衣装はどれもハイクオリティだ。よくも昨晩だけでこれほどの衣装を仕立てたものだ。さすがはセレブといったところか。どれだけのプロの人達を用意したのか想像に難くない。
「わたくしの美貌で老若男女、受け取らざる得ないですわ」
まひるは露出が激しいユナイのコスプレをしている。
「われの誘惑魔術でわが闇の禁書の虜にしてやろう」
リンネの口調を真似るシズ。今日はリンネになりきるらしい。
「うむ、霊幻五月雨突きの如く疾風迅雷の本捌きを披露してやるぜよ」
スピード重視より、まごころ重視でお願いしますユウさん。
まひるの宣伝のおかげか来客数もそこそこあったのと、外回りでのみんなの頑張りのおかげで午前中の時点でだいぶ捌けた。
僕とシズは人見知りのため、あんまり捌けずだったが……。
驚いたことがあった。
僕らのコスプレを見て『カメショー』のキャラを意外にも知ってる人がいたことだ。ミトの言う国民の半数は言い過ぎだが、受け取ってくらた人の五人に一人くらいはいた。嬉しい限りだ。部員と写真を撮影したりする人もいた。
専ら僕はシャッターを切る係だったけど……。アニメの影響もあるんだろうけど、リアルにカメショーを知ってる人を感じとれて嬉しい限りだ。
午後になると、ミト、ユウはクラスの出し物や店番で抜け、まひるは生徒会長の仕事で抜けた。
まひるの露出プレーがなくなり、人見知りコンビの僕とシズだけになり、午前ほど伸びはしなかった。
1日めはこうして幕を閉じるかに思えたのだが、このあと、3時になると全員が戻ってきた。そして、ミト以外の三人が僕と各々模擬店を周りたいと言ってきたのだ。
ミトが言わない理由はもちろん分かるのだが、何故か彼女は悔しい顔を露わにしていた。




