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文化祭は短編創作

 夏休みが終わりを告げ、僕らはより一層、毎日執筆に勤しんでいた。

 夏休みに行なった様々な取材のおかげかみんなアイデアが浮かんできたみたいだ。無論、僕も。


 残暑も終わりを告げそうなある日、パソコンとにらめっこしていたまひるが口を開いた。


「この部活は文化祭はなにを致しますの?」


 そういえば、あとひと月もすれば体育祭があり、その後すぐに文化祭がある。クラスでも文化祭の出し物についてなんか話あっていたな。クラスでいるかいないかわからない僕にはなんの役回りも回ってこないので脳内カメショー創作に務めていたが……。


「別になにもやる気ないわよ。やらないといけないっていう決まりはないし」とミトが応えた。


「なにを仰っていますの? 先日の全校集会でのわたくしの話を聞いてなかったですの? 今年からは全クラブなにかしら参加しないといけませんのよ」

「えっ、なにそれ?」


 ミトが面喰らった表情をした。確かにまひるが全校集会でそんなことを宣言していたな。でも、生徒の半数(特に普通科クラス)は全校集会でのことなんてあんまり聞いてないからな。


 ミトもそのうちの一人なんだろう。


「学園全体を盛り上げるためにわたくしが出した案が生徒会で通りましたの」

「ちっ! アヒルめ、またよけいなことを」

「じゃが、なにをすればええかのう」


 ユウが困った顔をする。そうだよなあ、人数少ないから模擬店やイベントするのも大変だよなあ。


「そこでですわ。わたくし、素晴らしい案を考えましたの!」

「却下」と即答するミト。

「ちょっ、ちょっとお待ちあそばせ!」

「どうせあんたの考えだからしょーもないものに決まってる」


 ミトの言葉にシズとユウも「うんうん」と頷く。


「心外ですわ」


 プクッと膨れるまひる。


「一応、聞いてあげようよ」


 僕はフォローを入れた。聞くくらいはいいだろう。今のとこ誰も意見出してないし。


「小説部らしくラノベの短編集の作成ですわ」


 全員が興味ありげな表情をした。


「でも、それだったら文芸部とかと被ると思いますけど……」とシズ。


 まひるは人差し指を立て左右に振りながら、


「くぅーちゃん、ノーノーですわ。わたくし達は一人一作ずつ載せて、読んでいただいた方にどれが一番良かったか票を入れてもらいますの。そうすれば誰が一番面白いラノベを書けているかわかりますわ」


 短編集で競い合うってことか。


「ふ~ん、アヒルにしては悪くないわね」


 ミトもまんざらでもない様子。


「僕も参加しないとダメ?」


 カメショーの執筆があるからできれば避けたい。


「無論ですの。部長さんも倒さないとわたくしの全クラブ制覇が成し遂げられませんわ」


 なるほど、これが狙いか……まひるはこれで一番なら全クラブ制覇を達成することになるってことか。


「わが右腕に挑戦できるのか。楽しみだな」


 口元に笑みを浮かべる碧眼シズ。


「長編はいかんがか?」

「読者の方が長編だと読むのに時間を要して飽きてしまうかもしれないですわ」

「確かに審査にも時間がかかるしね」


 僕もまひるの意見を肯定する。長編なんてとんでもないぞ! 

 そこまで費やしている時間はない。


「なるほどのう」と納得するユウ。


「じゃあ、みんなが平等のスタートになるように新作を書くということにするわよ。期限は文化祭の3日前まで。これでどう?」

「承知しましたわ。ようやく全クラブ制覇を成し遂げる日がやってきますわ!」

「わが呪法を完成させて王に君臨するのはわれだ!」

「さて、わしが一番を取るぜよ!」

「あんた達なんかに負けないわよ!」


 自信あり気なみなさん。


 こうして短編創作が始まった。

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