JKは底なし
ひと通り遊んだあと、
「お腹がすいたわね」とミト。
「そうですわね、わがグループ御用達のケータリングサービスでもお呼びしてあげますわ」
まひる以外の三人は口を半開きにしてあきれ顔。ちなみに僕も。
「なんですの?」
「そこの醜いアヒルは帰ってケータリングでもなんでも食べたらいいんじゃない? は~い、みんなこんな場違いお嬢様はほっといてあたし達だけで出店を楽しむわよ。醜いアヒルのコはついてこないでね~」
ミトは屋台に向かって歩き出す。
「わしは冷やしきゅうりでも食べるかの」
「われはあの茶色でコーティングされたあの甘くて長細いものでも食してやろうぞ」
ミトのあとをユウとシズが続く。こういうまひるのセレブ発言は誰も擁護しなくなった。
まひるを見ると口をつぐんで今にも泣きそうな表情をしている。自分が間違ったことを言ってしまったのを悔いているんだろう。自業自得とはいえちょっとかわいそうだな。
「ほら、まひるもなんか食べに行こうよ」
僕は手招きした。まひるはパァーと明るい笑みを浮かべ、こちらに駆け出した。
各々、食べたいものを食べたあと、道の脇にある石のベンチに僕らは腰を下ろした。
「なんかまだ食べ足りないわね~」
他の面々も頷く。いや、結構食べてただろ。冷やしきゅうりにチョコバナナ、フランクフルトにたこ焼き、カキ氷に焼き鳥と焼きとうもろこし、思い出すだけでもこれくらいはみんな食べてたぞ!
「僕はお腹いっぱいだけど」
「じゃあ、白夜お腹いっぱいのとこ悪いけど、焼きそば買ってきて」
「なんで僕が」
「歩き疲れたのよ。ほら、あたしたち下駄だし。お・ね・が・い」
可愛く首を傾げながら言うミト。……あざとすぎませんか……でも、女性耐性ゼロの僕には十分な破壊力。
「わかったよ! 他のみんなは?」
全員が手を挙げた。JKの胃袋はフードファイター並なのか。
僕は焼きそばの出店を探す。数ある夜店を見て回るがなかなかない。珍しいな。焼きそばってお祭りの出店の定番だから簡単に見つかると思ったのだが。
しばらく探して、やっと見つけた! 若干列になっているので僕は並ぶ。
「4つください」
「あいよ!」
見ためガラの悪そうな兄ちゃんが今焼いているのとは別にすでに出来あがっている焼きそばをお金と引き換えに手渡してきた。
僕は両手でそれを持ちながらみんなの元へ戻る。
その時、思ったのだがまったくもって焼きそばから温かさを感じない。完全に冷めた焼きそばである。
ミト達怒るかな!?
でも、もう買ってしまったし、他に焼きそば売ってる所探している時間なさそうだしな。とりあえず、これで我慢してもらおう。




