リアルツンデレ!?
久しぶりに外に出た。
暑いな、蝉の鳴き声が暑さをより増強させる昼下がり。海で溺れてから三日ぶりの登校……といってもまだ夏休み中なので部室に直行中。
まひるの知り合いということで病院では手厚くもてなされた。広い個室を用意され、食事は病人という立場なのに質素な病人食ではなくて、フランス料理のフルコースような豪華
な食事だった。
しかも、病院側の都合(まひるの知り合いになにかあったら問題になるかもと怯えた様子の病院)で大事をとって二日も入院させられた。
溺れた次の日には十分回復してたんだけど……。まあそのおかげで時間ができ、『カメショー』の新しい展開を考えられたのは良かったんだが。
僕は部室の扉を開いた。
「部長!」「部長殿!」とシズとユウが笑顔で迎えてくれた。
「や、やっと治ったのね」となぜかミトは恥ずかしげに口元を緩める。
夏休み中はクラスのリア充どもが学校にほぼ来ないのでSM仮面を着けていないミト。
「お帰りなさい。部長さん。で、どうでしたの? わがフェニックスグループ提携の病院は!」
まひるが自慢気に言った。
「よ、良かったよ」
「そうに決まってますわ!」
「うっさいわね! アヒルはその無駄な胸でも小さくするように、その自慢の病院で整形手術でも受けなさいよ!」
「まあ、また貴女はわたくしの胸を愚弄して!」
いつもの二人の掛け合いが始まり、
「顔色が良さそうで安心したぜよ!」
ユウが微笑む。
「わが右腕、死の淵からよく舞い戻ってくれた! これからもわが右腕として存分にその力を発揮するがいい」
碧眼モードシズも笑みを浮かべる。
「みんな心配してくれてありがとう!」
シズとユウが微笑んで、まひるもミトとの言い争いを中断して、口元に笑みを浮かべた。
「べ、別にし、心配なんかしてないわよ」
ミトはまたもなぜか頬を赤らめて、恥ずかしそうに悪態をついた。
「ツンデレというものですわね」
「ミト先輩も素直じゃないのだから」
「さすがあねさん、ツンデレでポイントを稼ごうとするとは」
ほほう、なるほどこれがリアルツンデレなのか。
「ち、ちちち違うわよ! ってあんたもニヤニヤするな!!」
ミトのビンタが飛んできたのだった。
いつも通りみんな執筆に入ると……いやミトとまひるは執筆に入っているんだが、シズとユウは読書している。参考にするラノベでも読んでいるのかな!?




