ロリ娘の腹筋
昼食を食べ終え、デザートのスイカにありつく僕ら。
「結局、割れなかったですわね」
スイカを頬張りながらのまひる。当然、僕の貧弱腹筋では割れなかったので、今食べているスイカは持ってきた棒切れでユウが一刀両断したのだ。
ユウの出で立ちは剣士さながらだった。剣道でもやっていたのかな!?
それよりまだお腹が痛いぜ。
「白夜の腹筋がショボいからよ」
「スイカを腹筋で割れる人なんていないだろ! ってかそもそもあんなのスイカ割りじゃないし」
「部長殿、わしなら割れたぜよ」
ユウが真顔で言う。
「へぇーそうなんだ、ってんなわけないだろ! ユウなんて僕以上に軟弱そうじゃないか!」
「あんた見た目で判断したらダメよ!」
ミトの言葉にまひるとシズが「うんうん」と頷く。何言ってるんだ、この人達……。
「部長殿、わしの腹をおもいっきり殴ってみるきに」
「何言ってるんだよ?」
「そのままの意味じゃき」
「何をバカなこと言ってるんだよ。そんなことしたら今食べたものが吐き出されるかもしれないじゃないか」
「絶対大丈夫じゃき! ほれやってみるがか」
ユウがお腹をポンポンと触り、仁王立ちになる。
いや、スクール水着着たロリっ娘にそんなことしたら幼児虐待になってしまうだろ!
「大丈夫だから早くやりなさいよ!」
ミトが急かしてきた。
「わが右腕、オナゴを待たせるのはよくないぞ! 全身全霊を持ってこたえよ!」
くっ、シズもかよ。僕に犯罪者になれっていうのか。
「……やっぱりできないよ」
「しょうがないのう。わしが耐えられなかったらあねさんの胸を触らせてやるぜよ!」
「わかった! 」
「ちょっと! なに勝手な約束してんのよ!」
「泣いても知らないぞ! ユウ!」
「よし来るぜよ!」
あれほどやれって言うんだし、ミトの胸には代えられない!!
少し気が引けたが、僕は普通に力を込めて、スクール水着の下にあるボディに右拳を放った!
…………「かたーー!」
鉄板を殴ったような衝撃だった。
「ちゃちゃちゃ! どがいぜよ!」
「どうなってんの、そのお腹?」
「ユウさんのお腹はアスリート並み、いえ戦士並みの腹筋が備わってますのよ」
ある巨人と戦うアニメの女兵士を彷彿とさせるな。
「びゃ~く~や~! あんたってホント!」
鬼の形相のミト。今日二度目の死を覚悟する。
「この淫乱変態ドスケベが!!!」
余っていたスイカで頭を殴られたのだった……。
デザートを食べ終え、女子4人はキャッキャッとリア充の如く、ビーチボールで遊んでいる。
その間、僕はというとミトのおっぱい揉み未遂事件の罰として一人でシャチの浮き具を膨らましていた。
僕の肺活量では時間がかかったが、しばらくして完成した。
それを見てか、シズがこちらに走り寄ってきた。
「できましたか? 私のシャチ!」
シズのだったのね、これ。空気入れくらい用意しといてね。
「うん、かなり疲れたけどね」
「では、参りましょう!!」
シャチを引きずり、僕の手を引き海の方に走り出すシズであった。




