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本心

 まひるとユウが帰った部室にて。


「今日のミトはいつもと少し感じが違ったね」

「なによ、それ?」

「いつもなら……特にまひるに対しては、きついというかなんというか……今日は優しかった」


 ミトは恥ずかしそうに頬を赤らめた。


「ふん、見ててもどかしかっただけよ。アヒルのシズへの思いは山に行ったときのシズをおんぶした時の表情を見てたらわかったし」

「それにシズに対しても正しい方向を示してあげたじゃないか」

「ふん、それは途中でわかったからよ」

「なにが?」

「以前あんたが三日ほど来なかったときあったでしょ。そのときシズと話したことがあったのよ」


 ああ、あのときか。あのあと、三者三様の部活来い攻撃を受けたよな……。


「シズになんで漫画家になろうと思ったのか訊いたのよ。じゃあね、昔やったあるゲームを友達としたのがキッカケだったって言ったの」

「……それってまさか……!?」

「そう、たぶんエクエフ」


 シズにとってもまひるとの思い出は大事なものだったのか。


「ゲームは一人じゃ創れないけど、漫画なら一人でもそのゲームのような壮大なストーリやバトルシーンを書けるからって、言ってたのよ」

「そういうことか」

「そんな思い出をいつまでも共有してる二人が気持ちのすれ違いで部を辞められてもあと味悪いじゃない」

「うん、そうだね」



 ミトはやっぱりどスレートの人間だ。決して自分にはウソはつかない。まあ、嫌味は時々言うけれど……。


「過去は良いものも悪いものも記憶から簡単には消えないのよ」


そう言ったミトは微かに笑みを浮かべた。少し悲しげに見えたのは気のせいだろうか。


「明日、シズは来るかな……??」

「さあ、どうかしらねっていうかさっきからあたしに質問ばかりして白夜のくせに生意気ね!」

「ご……ごめん」


 僕らはいつもの調子に戻り帰宅した。



 翌日、扉を開けると僕以外の四人が机に向かっていた。

 シズを除く三人はパソコンから顔を上げて笑みを浮かべた。


 特にまひるは嬉しそうにはにかんだ。


 最後にシズが顔を上げ、恥ずかしそうに笑みを浮かべ、


「わ、わが右腕、早くわれの魔術書を見よ」


 シズは碧眼モードだが、もう馬面を被っていなかった。

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