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ゆかりさんとわたし  作者: ユエ
2話 ゆかりさんとわたしと、洋館にて
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第二の事件 前篇

★   ★   ★



 

 記者のシンさんの死を伝えるため、ユウト、サヤカ、ミカの三人はみんなのいる大広間へと急いで向かいます。


 家政婦のミタさんは現場保持のため裏口に残って、怪しい人物はいないか見張っていてもらいます。


 大広間に入ると双子の母親のヨシカさんが今まさに警察を呼ぼうとしているところで、周りの親族があまり騒ぎを大きくしたくない、と苦言を呈しているところでした。



「いいえ。今すぐ警察を呼んでください。念のため救急車も」



 飛び込んできたユウトたちの声に、最初は疑問を返した親族の人たちでしたが、事情を聞いた途端に一様に顔色を変えました。この目で見なければ信じられないと、全員が大広間を出て行きます。


 その間に、ユウトたちは警察へ電話をして事情を説明しました。


 しばらくして、ずぶ濡れの服や頭をタオルで拭きながら、双子とシンさん以外の全員が大広間へ戻ってきます。


 ユウトたちは、警察から「今すぐは来られない」と言われた事情を話します。


 豪雨の影響で途中の道の土砂が崩れたのです。天候が回復しなければヘリを出すこともできないとのこと。土砂の撤去は、早くても翌日の昼過ぎになるそうです。


 親族からは不安とやるせなさの混じったため息が返って来るばかりでした。状況は完全にクローズド・サークルです。


 急遽執り行われた話し合いの議題は、記者のシンさんの謎の死について。

 その衝撃の度合いは大きく、行方不明の双子の件は一旦脇に置かれました。


 シンさんが焼死した状況からライターの不備による悲惨な事故と結論付けられ、警察が来てくれればなんとなかると、そういう形で話が落ち着きました。


 夜も遅いことと、双子の捜索の疲れから夕食は簡単なあり合わせで済ませ、今日はもう休むこととなりました。


 双子の母親のヨシカさんは不安で仕方のない様子でしたが、陽が落ちた後の森の中を探して回るのは不可能であり、洋館の中もあらかた探し終えていて、これ以上手がかりもなく。


 皆から口々に諭されて仕方なく、本格的な捜索は明日に持ち越すことを受け入れました。


 それぞれの部屋へ引き上げようという時。真っ暗だった外が一瞬明るくなり、轟音が響きます。雷です。同時にブレイカーが落ちました。


 執事のサキモリさんが様子を見に行きましたが、被害は大きく、今すぐの復旧は無理とのこと。

 踏んだり蹴ったりですが、いくら文句を言ってみてもどうにもなりません。


 光源となる懐中電灯は数に限りがあり、ひとり一本持つことはできません。

 幸い、各部屋にはそれなりの広さがあるので、寝袋や毛布を持ち込んで固まって夜を明かすことに。


 十二人はそれぞれ四組に分かれ、四つの部屋で休むこととなりました。


 ユウトとサヤカの部屋にミカが加わりました。

 

 

  


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