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ゆかりさんとわたし  作者: ユエ
2話 ゆかりさんとわたしと、洋館にて
32/79

第一の事件 前篇

★   ★   ★



 

 相談部所属の高校二年生ユウトと、同じく相談部部長の二年生サヤカは、山中にある古びた洋館へとやってきました。


 相談部というのは二人が立ち上げた部活動であり、読んで字の如く生徒達からの相談事を受け、時にアドバイスを送り、時に問題の解決に協力するという、何でも屋のような部活動でした。


 今回、そんな二人のもとを訪れたのは一年生で後輩のミカです。


 ミカは財閥のお嬢様で、今度行われる親族会に両親の代わりとしてユウトとサヤカの二人に付いて来て欲しいと依頼しました。


 両親の代わりに高校の先輩を連れて行こうという考えに納得できず、ユウトはそのあたりのことを突っ込んで訊ねてみます。


 ミカからの回答は以下の三点。


 ひとつ。両親の代わりというより、ひとりで行くのは心細いので、単に付添人が欲しいということ。


 ふたつ。堅苦しい親族同士の会合であることを話したら、友人全員から断られてしまったこと。


 みっつ。相談部としてのユウトとサヤカの活躍は校内でも有名であり、付いて来てくれればとても心強いこと。


 後輩から信頼と期待のこもった眼差しを向けられて、気を良くしたサヤカと断り切れなかったユウトの二人は、ミカの付添人として財閥の親族会などというものに招待されることとなりました。



 山奥。

 洋館。

 親族会。


 なにやら怪しさ満点で、いかにも事件が起こりそうな、そんなシチュエーションです。

 そして、いかにもな事件が起こりました。


 それは、ユウトとサヤカとミカの三人が洋館に到着した翌日の夜のことでした。


 親族会の前日に洋館へ到着し、ユウトとサヤカの二人はミカの親族だという八人の大人たちと二人の子供へ丁寧に挨拶しました。


 幸い、部外者だと咎められ追い返されることはありませんでした。が、それなりに嫌な顔はされました。


 企業経営者のハルヒコさんとその奥さん。


 女優でモデルのユキさんとその旦那さん。


 作家のマモルさん。


 医者のタダクニさん。


 記者をしているシンさん。


 二人の子供と、その双子の母親のヨシカさん。


 加えて、洋館の管理をしていて今回の親族会の世話係を命じられた、執事のサキモリさんと家政婦のミタさん。

 

 相談部の二人は、それぞれに個性溢れる方々としばしの雑談。

 その後双子たちを誘ってトランプゲームに興じ、大人たちはビリヤードやダーツなどを楽しみます。


 やがて執事のサキモリさんの呼び掛けで全員が大広間のテーブルに座り、とても豪華な食事会の始まりです。


 普段食べられないようなご馳走に舌鼓を打ち、ユウトとサヤカは大変満足し、二人が楽しんでくれていることをミカも大変喜んでいました。


 大きな洋館ですからお部屋もたくさんです。

 しかし客室として整理された部屋は人数分しか用意がなく、ほぼ飛び入りで参加したユウトとサヤカは双子が使う予定だったひと部屋を使わせてもらうのが精一杯でした。

 

 双子は母親のヨシカさんと一緒の部屋に。


 ユウトとサヤカは、ひとつの部屋で一夜をともにしました。

 

 

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