第1話転校初日の始業式
「好きです。付き合ってください」
「ごめんなさい湊くん。私好きな人がいるの」
そう、この俺湊 瑞樹はフラれたのだ。
しかも4回。4回目はもれなく好きな人の名前まで教えてもらえる特典付きだった。
でもだいたいなぜフラれた。この俺湊瑞樹は客観的に見ても成績はいい方だし、イケメンの方でもある。自他共に認める、上の下スペックを待ち合わせている。みんなからは「キング・オブ・上の下」と慕われているし、本当に何故なぜフラれたのだろう……。
それは……俺より頭良くてイケメンな超ハイスペック男子がこの高校わんさかいるからに決まってるだろ〜!!なにが「キング・オブ・上の下」だよバカにしてるのかおいコラマジで。つかこの高校もなんでこんなにハイスペックなやつ多いんだよ聞いてねーよ。いや、聞いてはいたけど俺よりハイスペックな男子いるとかマジ犯罪だぞこの高校。
あ〜もう、明日から学校いけねーよ、いきたくねーよ。そうか……そうだ……いきたくないのだからいかなければいいじゃないか。
この時、散々バカにされていた上の下ほどしかない俺の頭がある計画をひらめいた。
それは……『イケメンが少ない高校に転校して、本物の学園ハーレムを築き上げればいい』と。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そしてこの今日から俺はここ西雅高校に編入することになった。去年あの最悪な1年間の高校生活の末にここから俺の本物の学園ハーレムが始まる。
これからたくさんの女子のメアドゲッツして俺は必ずこの学校で頂点に立ってみせる!!っつかそのまえにさっきからここどこだよ。学園ハーレム始まる前に始業式始まるわ、たくさんの女子のメアドゲッツする前にたくさんの生徒指導にゲッツされるわ、学校の頂点に立つ前に廊下に長立もんだぞこりゃ。
と、くだらないことを思いつつ始業式がある第1体育館を探している俺の耳に聞き慣れた声が聞こえてきた。
「お兄ちゃん、こんなところでなにしているの?ここ中等部だよ」
「いや第1体育館何処か探してるんだけどなかなか見つからないからここで困ってるところ」
「それならあそこの事務室のところ左に曲がった所の道をまっすぐ進めばつくからいってみればわかるよ。私はもうもどるから。他にわからないことがあったら事務室前の先生に聞いて。あと……早く学校に馴染めるように頑張ってね。お兄ちゃん」
「あぁ、色々とありがとな瑞葉。お前も始業式で在校生答辞あるんだろ?がんばれよ」
ちなみにだがこの学校は中高一貫の私立で俺の妹湊瑞葉はここの中等部に在籍している。と、他愛もない兄妹トークをした後に俺は瑞葉に言われた通り事務室を左に曲がった所の道をまっすぐ進む。途中で出会った、先生らしき人物に軽く会釈して俺は体育館の中へと足早に歩いた。
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