ブブローグ
宇宙物を作ってみたくて始めました。
拉致イベントが後々すごい伏線に・・みたいな展開はありません。
よろしくお願いします。
テレテレテレーテ、テレテレテ
コンビニのBGM共に夕飯を持って、出て行く、一人暮らしの大学生である荒川 翔は、ごく普通の生活を送っていた。
「明日、実習のレポート提出か、メンドいなぁ。」
平和な日本に暮らすただの一般人、それ故、路地に変な男性が隠れていたことに気づかなかった。
「ちょ!!おいっまっ・・て」
いきなり男性に布を口に当てられ翔は意識を失った。
「気がついたかね?荒川君。」
「・・あ!テメェいきなり何しやがる!」
「それについてはすまない、協力者を急いで探していたものでね」
協力者?と呟くと男性は続けざまに話す。
「やっとコールドスリープの実証段階に入れるのだよ、だが協力者を随分減らしてしまってね、あわてて確保したのだよ。」
嬉しそうに話す男性、だがその顔には狂気じみたものがあった。
「やっとだ、これの成功は間違いない喜び給え、君は500年先の未来を見ることが出来るのだよ。」
「はぁ?おい、話しが見えねぇぞ!なんだってんだおい!はやくここから出せ!」
まるで鉄の棺桶、顔の部分だけ透明な箱に翔は入っていた。
「安心したまえ、痛みはない、文字通りの冬眠だからな、」
プシュー!!といる音同時に冷気が入りこんでくる、真っ白な気体であるそれはゆっくり翔の身体の周りに充満する。
(あぁ俺、このまんま死ぬのかな・・)
冷たくなった身体を震えさせ、意識も朦朧とした状態で翔は最後にそう思った。
「ここが大昔の我々の研究施設かぁすごいなぁ、」
小柄な中学生のような身長の男、
翔を拉致した男はMADサイエンティストであり、その集まりである[研究の樹]のリーダーだった。そして、そのグループは500年たった後も密かに存続していたのだ。そして彼は500年たった後、その結果を確認してほしい、そして、その未来の技術でもう一度コールドスリープを施してほしいと伝えていたのだ。
「えーと?・・うわっ!この白骨死体は・・・ご本人かー、ミイラ取りがミイラになっちゃったかー。」
鉄の箱の中に入っている痩せぎすの白骨はまさに棺桶といって差し支えなかった。
「コールドスリープは健康体じゃないと危ないからねー、この感じじゃあ無理だったんだろうなぁ。さーて、他はーと?・・おっ?」
彼が見つけたのはNO.132の番号と横に荒川 翔
と書かれたプレートだった。
(......寒い、だるい、頭痛い。なんだこれ、
突然変なおっさんに絡まれてコールドスリープとやらをさせられて、オマケにこの辛さかよ・・)
今だに状況が把握出来ない事に夢だと逃げたくなるが、激しい頭痛が現実に引き戻す。
しばらく痛みと闘っていると、コツ、コツとリズムよい足音が聞こえてきた。
「**?○*お目覚○・い?君は成功したようだね、うー・○伝言に・○*なかったけど○*・☆しちゃっていいよね?」
頭痛のせいか、箱のせいか、上手く聞き取れない。
「まぁ・*○は施してあるし後○*千年でも○*・かな?あぁーけど、○*☆*が問題かぁー・・・よし○*・☆しちゃおう!」
ガシャンと音をたて箱が開く、覗き込んできた顔は前に見た男と同じ雰囲気を纏っていた。
「*・☆が問題だし、・・自動供給すれば大丈夫か、場所は、地上はまずいよね、宇宙に上げるかな?」
やっと頭痛が治まってきたのと同時にヤバイこと悟った翔は逃げ出そうとするが、500年動かしてなかった筋肉がそれを許さない。
「ん?あ!そうだコールドスリープしても身体が動かせないんじゃ意味ないね、身体も弄るかな?」
まるで無邪気な子供が工作をしているかのような軽さ、その無邪気さが余計に翔を慌てさせた。
「んー!うぁーがぁー!」
口を開けても上手く声が出ない。
「安心してちゃんと麻酔かけて置いて上げるから、目覚めたら、多分宇宙かなー?」ニコニコしながら翔の首元に謎の機械を当てる、シュ!という音がして直ぐに翔は意識を失った。