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紫電の王  作者: 柳澤快誠
序章
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序章①

序章

季節は夏、八月の燃えるような暑さをひと時だけでも拭いさろうと多くの人が集まるその場所に御幸蒼汰はいた。

蒼汰は20代の男性が顔を険しくして、蒼汰の前に立ちはだかる。

「すいませんが、邪魔なんで退いてくれます」

顔を険しくしていた男性が口を開き喋りだす。

「おい、餓鬼!てめぇ所持者だろ、さっさとナンバーを言え!」

「いや、なぜ言わないといけないんです」

蒼汰は男を馬鹿にしたように少し笑って問い返す。

「いいから言えや!こっちとら、忙しいんだよ!早く言え!」

「しょうがないな…書籍番号ブックナンバー29,『秩序の雷』」

男は口元を歪め、叫ぶ。

「書籍番号70,『詠歌の虚像』!No,29『秩序の雷』貴様を駆逐する!」

「っち、面倒な奴が出てきやがった。」

蒼汰がそういった、その直後・・・

「「我が書物を持って、貴様を打ち砕く剣となり替わる」」

二人は呼応するように叫び、己が書籍番号を叫ぶ!!

「No,29『秩序の雷』」「NO,70『詠歌の虚像』」

「「封書展開』」

掛け声と共に二人の左胸…ちょうど心臓がある辺りから青白く輝く本が出てきた。

表紙には「No,○○」と書いてありそれ以外には、悪魔や天使といった宗教的な奇妙な絵が入っている。

「おいおい、なんだその本は!なんの絵柄も入ってねえじゃんかよぉ!戦う気あんのか!」

「戦う気はないね、だって…一方的にいたぶることになるからね」

「何を言ってんだよ!いたぶられるのはてめえだ!」

男は声を荒々しくあげて本を開く。

本を開き書かれている呪詛を唱えることにより、術となって相対する敵へと向かう。

「君臨する英姿もつ魂よ、我告げる事に依りて形成さん」

男は告げる、意志を強く抱きその名を!

「迷宮に生まれし災禍‘ミノタウロス’、そいつを喰らえ!」

蒼汰の前にミノタウロスが現れ、その巨腕が振り下ろされる。

「雷に身を捧げ雷となり他を退ける。咲き誇る雷‘雷華’」

蒼汰が唱え終えた直後、土煙を起こしてその場所に巨腕が到達する。

土煙が引き巨腕の下を見るが、そこには何も無かった…本来ならばあってもいい血痕・傷跡・防御時の体力の消耗とかではなく、何も無いのである。

そこに先ほどまで人がいた形跡がないのだ、そして声が伝わる。

「おいNo,70『詠歌の虚像』こと、上井豪鬼」

男…豪鬼の後ろから声がする

「何故そこにてめえがいる!?」

豪鬼が問うが、蒼汰は問いには無視をして話し出す。

「その怪物…見た目のわりにパワーが無いな、相手にもならない」

「無視すんな!てめえはなんで其処にいんだよ!」

蒼汰はため息交じりに答える

「雷が進む速度は秒速150キロメートル、さっきの位置から此処までの距離はほんの十数メートルだから…後は言わなくてもわかるよな?」

豪鬼は笑い出しすかさず攻撃を繰り出すが、速度で劣っているためいくらやっても攻撃は当たらない。

「これで、終わりだ…」

蒼汰はそう呟き、豪鬼の『封書』めがけて唱え始める。

「雷を持つ神へと成り遂げる者に歌唱える」

蒼汰の一音、一音に憐れむ音が込められついに唱え終える。

「雷歌‘雷神の御心’」

「やめろ、やめろぉぉぉぉ!」

歌が聞こえ豪鬼が叫び蒼汰へと向かっていくその瞬間、雷鳴が響く。

豪鬼の『封書』に雷が落ちたのだ、『封書』が焼けると豪鬼の体を青白い炎が包み込む。

青白い炎が一分も経たないうちに豪鬼の体を燃やしきってしまう。

「これだから、所持者とは会いたくないんだ…だが、安らかに眠ってくれ。」

蒼汰は一言告げその場を後にして去っていく。

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