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果歩とユキ・未来編。。。

「ただいま」

「おかえり」



会社から帰って来たユキを出迎える果歩はエプロン姿だ。キッチンからは良い匂いが漂ってきている。



「お義母さんが、ユキさんが好きぃ言う料理教えてくれてんよ」



果歩は気付いているのかいないのか、最近の彼女は自然に大阪弁を話す様になっていた。

ユキは敢えて其れを指摘せず、彼女がこの場所に慣れ親しんできた事を嬉しく思う。


「ご飯もう直ぐ出来んねんけど、どうする?」

「風呂入らせてもろてええ?」

「ええよええよ」

果歩はユキをお風呂場に押し込んで、キッチンへと舞い戻る。

煮物の味を確認した後、そっとエプロンのポケットから小さな手帳を取り出した。


手帳の中身は、自作の大阪弁単語帳だった。


「今日会ったおじいちゃんの言葉は難しかったなぁ…けったくそ悪いって…どういう意味やったんやろ…。

あれ、あたし今、自然に大阪弁出た…うわー…凄いな、この土地柄っ」



大阪に来て何も苦労が無かった訳じゃないのだが、果歩はその苦労をユキと共にした。

時には友人である虎に叱咤激励され、果歩は少しずつ少しずつ大阪での生活に慣れていった。


「果歩ー?」


バスルームの方からユキの声が聞こえて来て、果歩は自分が着替えを用意してなかった事を思い出した。

慌ててルームウェアを抱えて脱衣所へ続くドアを開けた。

ユキはバスルームの中から「一緒に入らへん?」と言う。


「入る入る……って言う訳ないやろーっユキさんの馬鹿ーっ」


果歩はルームウェアを扉に投げつけて、脱衣所のドアを力いっぱい閉めて其処に背中を押し付けた。

熱くなった頬を両手で挟み、果歩は息を整える。


一人突っ込みが出来る位には大阪に馴染んだ果歩だったが、ユキの攻撃には未だ不慣れであった。


「…ぶっ…相変わらず慣れひんなぁ。可愛いらし奴や」










WEB拍手に掲載していたSSでした。

お付き合い下さいまして有難うございました。



壬生一葉。。。




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