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ユキとシバ。。。
「聞きましたよ、黒王子」
「…何か聞こえたけど」
ユキは自分の直ぐ傍で大そう悪い顔で笑うシバを、わざと視界に入れない様に辺りを見回した。
「果歩に変態プレイさせてるそうですね」
ユキは敢えて平静を装い、「何の話かな柴田さん」と言った。
「基樹君、貴方の事尊敬してるから、貴方の実態を知ったらドン引きでしょうね」
「何を言っているのか、よく解らないな」
シラを切ろうとするユキにじれたシバは、少し大きな声で言った。
「あかん」と。
ユキが其の言葉を聞くなり身体をビクつかせたので、シバはニヤリと笑った。
「果歩の関西弁、可愛いんでしょうねー」
其れは疑いようの無い事実だが、ユキは其れを認める訳にもいかず言葉に詰まる。
「柴田さん」
「はぁい、何でしょう、和田主任」
「神崎君の有給申請、受理しますね」
シバは内心ガッツポーズをして、其れは其れは可愛いらしい笑顔をユキに向けた。