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状況説明とこれからだそうです

 「じゃあこれは何か分かる?」


 現在私はメリーさんに、この世界の説明をしてもらっている訳ですが……

 

 「何が書いてあるんですか?」


 文字さえ読むことが困難だった。私の許容範囲は日本語と、英語と、フランス語だけです。


 「記憶喪失だけで済む事じゃ無くなって来たわね……」

 

 少しメリーさんに申し訳無い気持ちになるが、私にとって異世界なのですから、仕方ないじゃないですか。そんな風に内心思ったり。


 「そういえばコテツはレベルも分からないんだっけ」


 あの時メリーさんは若干呆れた様に話していましたが、今回は真面目な顔をして質問をしてきたので私は返答をしかねた。その事をメリーさんは神妙に受け取ったのか、メリーさんは出来る限り分かりやすく丁寧に、まるで子供に教えるかのように、レベルに関する事を教えてくれた。


 まず、レベルは私の知っているような、単純に高いほど強いという意識ではないらしく。

 人を当て嵌めて言うならば、どれ位人のために尽くしているか、どれ位知識を持っているのか、どれ位信用されているのか、そこら辺が小さくともプラスとして影響しているらしい。らしいと言うのは、基準がどれ位か誰も理解していないから。レベルを知るためにはギルドへ行き、白い服装のギルドの方に話しかければ教えてもらえるそうです。けれどこれが一番この世界で問題になっているそうです。

 ギルドの方にではなく、個々のギルドでだそうです。この世界にはレベルを知れるギルドが六つあるのですが、場所によってレベルが以上に低くなったり、以上に高くなったりするそうです。 

 理由はその場所……大陸が分かれているのですが、その大陸での見解が違う所為でこんな事が起きてしまっているそうです。

 話が少し変わりますが、レベルは逆に、行いによって下がる事もあり、人を殺せばレベルが一下がるそうです。でもそれは悪人の場合は下がらない……その基準も問題らしいですが、それは置いといて、実はレベルはマイナス状態もあるそうで、マイナス状態は、人を殺したり、一年間の間で何もしないと下がるそうです。 赤ん坊はどうなるのかと疑問に思ったら、それは生きているだけでプラスになり、五歳になるまではそれが適応され、そこからは肩叩きだけでもプラスになるので大丈夫らしいです。

 なのでレベルがマイナスなのは、人殺しの証拠と公認になるそうですが。

 話を戻して、ギルドではそれぞれレベルが違うのですが、以上に低くなるというのは、マイナスにもなるそうで、人殺しに勘違いされることもあり、それが問題になっている。


 ここまでがレベルに関しての、一般常識だそうです。


 「本当にコテツは何も知らないんだね」


 「記憶喪失ですから」


 もうこれは免罪符になってもいいような……


 「けどその言葉控えたほうがいいよ」


 「え?」


 まるで心を見透かされたように言われ、一瞬驚きましたが、理由があって、この世界は剣に魔法、なんだってある世界なので、記憶を蘇らす事位たわいもないことらしく。それどころか記憶を覗くのも簡単な事で……


 「まあ特には聞かないけどね」


 「ありがとうです……」


 とてもメリーさんには感謝しても感謝し切れません。

 

「でもコテツ、貴方これからどうするつもりなの?」


 そうでした。私はメリーさんに会って安心していましたが、いつもでもお世話になっていたら駄目ですし。尚且つ、メリーさんの様にギルドで働こうにも、私は戦闘なんてした事ありませんし。

 この世界で生きて行くにも難点ですし、私の居た世界に戻ろうにも方法が分かりませんし。

 今思いましたが、私ったらよくこんなに落ち着いていられますね。

 そんな風に自分に感心していると、メリーさんがとても素敵な事……


 「そんなに悩むんだったら死ねば?」


 では無く、残酷なことを言ってくれました。

 ですが私の口は良く動くもので。

 

 「あ~それも良いですが、私はまだやる事があるので、万策尽きたら実行しますよ」


 今更ながら、私って結構達観していますね、なんて軽く思っていましたら、メリーさんがしまったとでも言うかのような顔から一変、呆れ顔に。どうしてか分からず、私は癖に成りつつある、首を傾げまし た。その行為にメリーさんは頭を抑え、溜息を。


 「コテツ……私が暫く鍛えてあげるから。それまでに実践できるような状態になること。それができないなら後は自分で何とかしなさい。」 


 「私はナイフと包丁しか使えませんよ?」


 これは事実。私は自炊派だったので、包丁捌きは完璧、なはず。ナイフは以前山で遭難したことがあり、その時錆びていたが、偶然落ちていたナイフで命拾いをした。刃物があれば案外生ける物です。その時ナイフの投擲も……熟知できませんでしたが、一般よりも使える筈。ついでに嫌いだった血も完璧に見慣れた。

 

 「私だって暇じゃ無いのよ。コテツに時間を取られる位なら、働いてお金を稼いだほうがましよ」


 流石に私でも、今の言葉に苛々したけれど、生き抜くためには、知識やらが必要なのは事実。だから私はこの人を頼らなきゃいけない。いっその事、何処かの主人公のように、フラグを立てて、一緒に冒険して貰えたら。そんなことを心で思っていたり。


 「で、どうする訳?やるの?やらないの?三秒以内に答えをだしなさい」


 「やります、お願いします」 


 現実は甘くないなんて周知の事実。だから私は一日でも生きれる様に。高望みするなら、帰れるように。私は決意して……


 「なら覚悟しなさい。私の修行はきついわよ?なにせ――――」


 「私は一パーセントでも生きる確立があるならそれに掛けます。貴女の修行がきつ過ぎたため、何万人止めていたとしても――――」


 けれど、その時の言葉を私は出来れば撤回したい。


 「十万人と四百と五百よ」


 人の次はエルフに、獣人。いずれも一日足らずで辞めたそうです。それは凄く後から聞いた話。







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