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悪役令嬢としての役割、立派に努めて見せましょう〜目指すは断罪からの亡命の新しいルート開発です〜  作者: 水月華
第4章

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97.そんな馬鹿な⁉︎


 コレットの言葉に、レティシアは面食らう。彼らはイーリスの祝福のメインキャラクターだけあって、とても魅力的だ。

  

 特にコレットには、相性も悪くないと思うのだけれど。


 そんなレティシアの内心を察したのか、コレットは言った。


「確かに魅力的だとは思います。ただ、そうですね。レティシア様の件で集まった同志というか……戦友みたいな印象で、恋愛では考えられないんですよね」

「えっと……なんだかごめんなさい」


 レティシアが邪魔したのだろうか、と思わず謝罪する。


 そんなレティシアに、慌ててコレットは言う。


「あ、いえ。まったくレティシア様が悪いわけではなくて。むしろレティシア様のおかげで、マルセル様と仲良くなったので」

「ちょっと待って。わたくしのおかげでってどういうこと?」


 コレットの言っている意味が理解できなかった。あの頃はコレットと、ほとんど関わりがないはずである。


「その、マルセル様と初めてお会いした時に、レティシア様も気にしていたという話を聞いて。私もその時はレティシア様のことを知りたかったので、マルセル様に色々話を聞いていたんです」

「へ?」

「そ、そうしたらマルセル様と恋仲だと噂が広がってしまって……そんなこともあったので余計考えられないかもしれないですね」

「う、うそ……」


 あまりに予想外の話にレティシアは驚いてしまう。


 まさかマルセルルートのイベントが進んでいるかと思ったら、話題の中心はレティシアだった?


 そこから空回りが本格的に始まっていたかと思うと、思わず脱力してしまう。


「だ、大丈夫ですか……?」

「え、ええ。大丈夫ですわ。自分の思い込みの激しさに驚いただけです」


 事前知識が完全に邪魔した状態だ。ちょっと、いや大分ショックは受けているが、今さらの話である。


「ま、まあ。あの時は噂が凄かったですし、思い込みというか信じてしまうのは仕方ありませんよ。マルセル様も私を令嬢扱いするから余計に」

「確かに意識していないところにそんな噂が広まれば、相手を恋愛的に見れなくなりますわね」

「そんな感じです」

 

 そういうとコレットは申し訳なさそうにレティシアに言った。


「ごめんなさい。私に恋愛経験があれば、レティシア様になにかアドバイス出来たと思うのですが」

「いいえ。そんな意味で聞いたわけではないの。ただ純粋に気になっただけなの」


 本当になんとなく気になっただけなのだ。レティシアの表情からそんな意図を汲み取ってくれたのか、コレットは笑う。


「あはは。大丈夫です。何か聞いてみたいことがあったら、遠慮なく聞いてください。他の方々と違う目線で聞けると思います」

「ありがとうございます。頼もしいですわ」

「はい! 小さなことでいいので聞かせてくださいね」


 コレットは本当に良い子だ。大変なことも多かったのにこんなにまっすぐ育って、両親も喜んでいるに違いない。


 レティシアは改めて、コレットに感謝を告げる。


「コレット様、今回はお誘いいただいてありがとうございます」

「そんな、お礼を言うのは私のほうです。レティシア様のおかげでこんなに早く帰省できたんですから」

「……けれどコレット様以外でしたら、こんな風に一緒に行こうなんてならなかったと思うのです。コレット様とお友達になれて、本当に良かったです」


 そう微笑んで言うと、コレットは胸を押さえた。少し頬が染まっているし、呻き声も聞こえた。


「……レティシア様、その顔をほいほい見せては駄目ですよ」

「顔?」

「老若男女虜にしますから。殿下がまた暴走します」


 自分がどんな顔をしていたかわからないが、コレットの言葉があまりに真に迫っていたのでコクコク頷く。


「……それにしてもそんなに、凄い顔をしていましたか? あまり自覚はないのですが」

「……今までのレティシア様からすれば、とても魅力的です。生気が宿り、花が咲くような笑顔とはまさにこのことです」

「ごめんなさい、そんなに言われたら恥ずかしくなるわ」


 まさかそこまでべた褒めされるとは。


 そういえばルネ達も一度あった気がする。


 コレットは咳払いする。


「こほん……レティシア様はもう少しご自分の容姿に目を向けるべきです。特に最近、どんどん魅力的になっていますから。きっとロチルド商会でとても充実した日々を送っているのだなって、すぐに分かります」

「そ、そうでしょうか……確かに健康的にはなりましたわ。食事も取れていますし」


 げっそり痩せていた時期に比べれば、今のレティシアはふっくらしている。それでもまだ痩せている方なので、セシルなんかはせっせと世話を焼いてくれるけれど。


「顔色も良いですし、目が煌めいています。殿下がたまにボヤいているそうですよ。レティシア様には見せないようにしていますが」

「まあ……」


 ジルベールが焦るくらいには魅力的になっているのか。


 自覚がない分、どこか他人事だ。


「……今度殿下とお会いした時、表情を観察してみようかしら」

「良いと思います。きっと複雑な顔をしていますよ」


 コレットは楽しそうだ。なんだかんだ、ジルベールを揶揄うのが面白いのだろう。


 身分差を自覚しているのに、揶揄うことは出来るのは尊敬に値する。


 そんなレティシアの心情を察したらしい。


「殿下はとても優秀で、完璧な人だと思っていましたが、案外ちゃんと人なんだなって思いました」

「そうですね。最近とても表情が豊かですもの。数年前からしたら考えられません」

「その変化は間違いなく、レティシア様のおかげですね」

「そうでしょうか? わたくしはコレット様のおかげだと思っているのですが」

「……まあ多少はあるかも知れませんが、ずっとそばにいる人がいなくなろうとしていると知ったら、良くも悪くも変わりますよ」

「……そう言われると納得しますわ」


 レティシアが知らないうちに、逃げられないように画策していたようだし。そこは複雑になりつつ、悪いことばかりではないと自分を納得させるレティシアだった。

いつも読んでくださりありがとうございます


作者は豆腐メンタルなので、過度な批判や中傷は御遠慮いただけると幸いです。

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