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雨上がりのデッサン

作者: 永井晴
掲載日:2025/01/06

ーー

いつからだろうか、

暗闇には雨が降っていた、

僕は傘を取り出して、

一人分の覆いを作った、

君の姿は見えなくて、

急がない足音が聞こえた、

雑音のような雨水の、

地面を這ってく姿も見える、

二人は隣で晴れ間をまってた、

しぶきが続く暗闇の道の、

終わりを目指して歩いてた、

光の時を夢見ながら、

互いの笑顔を夢見ながら、

二人は前へ進んでた、

ーー

友よ、

隣にいる力強さよ、

さあ手を握って、

濡れた手が友愛の修辞にもなり、

ああ笑顔になって、

煌めく音色を広げる滴り、

君としぶきをあげてく度に、

僕の傘は大きく揺れる、

君は傘をさしているのかと思ったり、

電気のように優しさが伝わる、

手を取りあった僕らって、

まるで子供の猫たちみたい、

ーー

ぴちゃぴちゃと跳ねる音の雫、

僕の耳にもやさしく滴る水、

でもそのやさしさは、

晴れ間に出れば消えるのだろうか、

僕らの目には見えぬのだろうか、

暗闇が少し暗くなる、

僕らは強く手を握る、

僕の傘は変わらず音を立てている、

まだ雨は続きそうだ、

ーー

長いこと雨に打たれると、

雨足の機嫌も分かってくる、

激しかった雨は通り過ぎると、

生ぬるい雨がやってくる、

絡みつくような湿気がやってくる、

僕らは未だに手を握って、

ベトベトとして少し嫌な感じ、

歩く度の摩擦の調べ、

急に寒気もしてくる感じ、

空間は霧のようにモヤッとしだして、

するりと抜けるのを待つだけの僕らは、

確かに二人で歩いてる、

熱も冷めてしまったけれど、

確かに二人は触れている、

ーー

ああ、気持ち悪い、

君の手を突き放すことだけ考えて、

暗闇に置き去りの君の滑稽、

雨は君を濡らして、

僕らはそれきり会うこともない、

君を背中に感じると笑みがこぼれ、

嘲りの匂いが漂う世界、

僕は考える、

孤独の世界を、

君のいない世界を、

そしてまた苛立ちが捗る、

錆れた鎖に繋がれたみたい、

雨が酸化を進ませて、

汚れが手にも付着する、

ああ、気持ち悪い、

傘を持たない君はきっと、

今も雨に濡れているんだね、

僕はそんな奴と手を繋いでいるんだね、

ーー

よく言うじゃない、

弱々しい花なんか見て、

きれいだと、

僕にもそんな想像が出来てきたよ、

でも傘は余ってない、

僕は涙の雨を降らして、

ごめんねと、

君はやさしく僕を労るはずさ、

ああ、やさしき人、

見えないけれどきれいなんだろう、

暗闇は惜しいことをした、

はにかんだ笑みも遮った、

雨の匂いが染み込んで、

きれいな人の笑顔も輝く、

ーー

晴れ間の光、

目に刺さり、

僕の期待が、

降ってくる、

やっと君の顔が、

見れるのだろうと手を繋ぎ、

さっと闇を駆けてゆく、

何度光を仰ごうと、

消えることなどないのだろうと、

あっという間の雨へ言う、

もうそろそろだよ、

ほら、行くよ、

さあ、

と、光はぱっと僕らを照らしてくれた、

手には雨粒が零れて、

僕は見たよ君の方、

そしたらどうだろう、

雨に汚れた君の笑顔、

傘の中から眺めてた、

きれいな手は滑り落ちた、

僕はもう分からなかった、

ーー

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