今年の夏は暑すぎる
お盆が過ぎて、ようやく空気が秋めいてきた。
朝だけ。それも早朝に限る。
相変わらず、日中は灼熱である。といってもやっぱり、日がほどほどにかたむいて夕方になると、吹く風が秋っぽいなとは思うのではあるが。
でも、夏だな。
わたしの中では十一月くらいまでは間違いなく夏なのである。十二月に入ってようやく秋っぽいなどと言い出し、年末に風邪でダウンするまでがお約束。
コロナが言われだしてからは年末のダウンがなかったの、あれは世の人たちがこぞってマスクをし、公共交通機関の車内で鼻をかむ人の数が激減したからだと思っている。
それはさておき。
お盆が過ぎても、居住地でつくつくぼうしの声が聞こえない。
この辺だと例年ならお盆の最中に鳴き出すところなのに、遅いな。
そう言っていたら、一週間ほど過ぎたところで一匹の鳴き声が。一フレーズ鳴いたら静かになってしまったが。
声がしない、声がしないと文句を言っていたから、しょーがねえなあ聞かせてやるわーと来たのだろうか。やけに近かったから、アパートの壁にとまっていたと思う。
でもな、朝の五時から起こしてくれるな。起きたけど。
朝寝するつもりだったのに。
そしてまた気づいてしまう。
「秋の虫の声、まだ聞いてない」
こちらも例年ならお盆あたりから日暮れとともに聞こえだすところなのだが。日が暮れきっても静かなのである。
となると、原因は一点しかない。
「暑すぎるんだわーーーー」
「あれかな、『地面の下から出たくない』」
いやそれ蝉だから。コオロギとかは草の陰とかではなかろうか。あまり見たことがないけれど。バッタなどと同じ不完全変態だから、ちびっこを見かけてもおかしくはないはずなのに、ほとんど見ない。どこにいるのだろう。
この辺ではマツムシとコオロギが優勢。たまにスズムシ。音が混ざっているから他にもいるはずなのだが、マツムシが強すぎてかき消されている。
本当に秋なのか。暦の上では秋なのだが。
空の雲を見てもまだ夏だし(八月だからそりゃそーだとしか)、日中の気温もえげつない。
相変わらずアパートは灼熱地獄だし。「絶望しかしないから、温度計は見ないようにしようぜー」と言いながら見に行く面々。
しかし、あのエアコンががんばっている室内に居ながらにしてジリジリ焼けていく謎の感覚は、お盆を境になくなった。
ということはやっぱり秋なのか。
認めたくないのだが。
久しぶりに行った美容室で「今年の夏はしんどいすわ」と口走ったら「またまたぁ~(いつもと変わらんでしょ、の意」と笑われたけれど、今年は本気でしんどかったんだよ!
まだまだ残暑がきびしいので、皆様もどうぞご自愛くださいませ。
つくつくぼうしの鳴き声、ネットのどこかで
「おーし、つくつくおーし、つくつく(繰り返し)、ふぁいやー、ふぁいやー、ふぁいやあぁぁーじじじじ…」
というのを見て以来、そうとしか聞こえなくなってしまった。
感染を広げようと思う。