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撃退

 二回目の妨害のキューブにより、追手に追いつかれずに森を抜けることが出来た。しかし、本番はここからだろう。同じ策は使えないから妨害するなら敵に直接当てないといけない。

 そんなことを思いながら馬車に揺られて少ししたら岡島が再度警告をしてきた。


「追手の反応がある。そのうち視認出来るぞ。」

「遂に来ちゃったね。あと少しだったけど。」

「想定内だろ。視認出来たら攻撃するか?」

「そうだね。一応そいつら敵でいいよね?」

「スキル反応してるし、敵だろ。敵意とかないと反応しないと思うぞ。」

「じゃあ攻撃しちゃおう。どう分担しようか?」

「6人だから右半分は俺が攻撃するわ。左を頼む。」

「分かった。」

「僕は何しましょうか。」

「「・・・・・。」」

「なんか言ってくださいよ!」

「だって何もできないじゃん。」

「近接なら・・・。」

「さっきも言ったが近くまで来られたら終わりだろうが!お前はそいつのめんどう見るか待ち伏せが潜んでないか周り見張ってろ。」

「はーい。」


 少し話していたら馬に乗って追いかけてくる集団がぼんやりと見えてきた。


「二人とも見えて来たよ。」

「狙えるか?」

「さすがにまだ無理だよ。米粒くらいしか見えないし。」

「そうだよな。さすがに俺の弓も無理だし。」

「そういえば当てれるの?ゲームの時みたいにいける?」

「散策の時に少し練習したけど問題ない。現実ならできないであろう曲芸撃ちも出来るぞ。スキルのおかげか違和感なくスムーズに出来るし、当てるのも難しくないな。」

「すごいね。それなら安心だね。」

「翠はいけるか?」

「こっちも大丈夫だよ。むしろゲームの時と違ってより細かいことが出来るようになったから楽しみにしてて。便利になったから。」

「それは楽しみだな。後で教えて貰おうか。」

「僕にも教えてくださいよ!」

「大丈夫。荒殿で実験するから。」

「えっ、モルモットですか?」

「それ以下だろ。」

「えぇー、ひどくないっすか?」

「だって使えないだろ。」

「今は使えないかもしれないですけど、そのうち役にたちますよ!」

「ほんとかよ。」

「任せてください!」


 段々と馬を駆ける集団が迫ってくる。


「そろそろ当たりそう?」

「微妙な距離だが攻撃開始するか、当たらなくても少しは足止めになるだろうし。」

「オッケー。じゃあさっき決めた通りにいこう。キューブ。」


 拳サイズの立方体を3つ自分の前に出現させる。狙いは左側の3人。


「いくよ?」

「準備オッケーだ。」


 二人の息を合わせて攻撃を開始する。


弾丸(バレット)!」


 自分が放ったキューブは弾丸のような勢いで飛来する。当たったのは1つだけだ。しかし、馬に乗っていた人はものすごい勢いで転がり落ちた。軽傷ではすまないだろう。

 岡島が放った弓も見事馬に当たり、大きく嘶き倒れた。乗っていた人も倒れた勢いで遠くに飛ばされていた。


「とりあえず二人脱落だね。」

「なんとか当たったわ。」

「じゃあ次狙おうか。」


 もう一度キューブを出し狙いを定めて発射する。また、今度は二人に当たり両名とも落馬した。

 岡島の方もまた馬にあてて、あとは一人を残すだけだ。


 しかし、最後の一人は二人で狙っているのにも関わらず、避けるか手に持っている斧で矢とキューブを叩き落としてくる。


「最後の一人やばくない?」

「馬に乗りながら斧で矢を落とすとかバケモノだろ。」

「そこそこ強いのかな?スキルがあれば重い斧も簡単に振り回せるだろうし。」

「見た目だけは一番強そうだぞ。」

「筋肉モリモリで如何にもって見た目だよね。」

「近寄って欲しくはない見た目だな。」

「近づけさせないように撃ちまくろうか。」


 それから二人で最後の一人に向かってキューブと矢を撃ち続ける。しかし、少しづづ距離を詰められてしまう。


「まずいね。段々と近づいて来たよ。」

「荒殿の出番か?」

「ちょっとあんな怖そうな人と戦いたくないです。」

「大丈夫。負けたら終わりだからそれは最終手段だよ。神様っぽい人は自分たちは強い部類に入るって言ってたけど過信はできないし。」

「どうする?」

「閉じ込めちゃおうかなって思ってるんだけど、、、。」

「キューブで?」

「そう。内側に閉じ込めちゃえばそれで終わりでしょ。もう少し近づいて来たら確実に閉じ込めれると思うよ。」

「さすがだな。魔法職はそういうのができないと使えないからゲームの時人口少なかったんだよな。」

「空間認識力でしたっけ?それが高くないといけないんですよね?」

「そうなんだよね。魔法職するなら必須能力だね。」


 ゲームの時魔法は数多く存在したが、杖や魔導書から魔法を飛ばすだけでなく、地面から発動させたり、上から落としたりと、相手の左右前後あらゆる方向から攻撃することが可能だった。しかし、それらをうまく使うのにはその人の空間認識力が必要でこればっかりは、ゲームのレベルを上げても意味はない。しかも、補助するよなスキルもなかったのでその人の空間認識力が高いかどうかで魔法職が出来る出来ないが決まっていた。


「現実ではできないこともスキルあれば出来るのがVRゲームの魅力だったのに、なぜか空間認識力を補助するスキルだけはなかったんですよね。なので僕も魔法職向いてないですし。」

「弓とか遠距離攻撃する場合はある程度必要だが、魔法職はそれ以上にそれが重要なんだよな。」

「だから魔法職人口少なかったんだよね。おかげで重宝させたけど。」

「じゃあ任せていいか?」

「いいよ。もう少し近づいたらやるよ。」


 そうして、キューブと矢で攻撃しながらタイミングを伺う。

 相手を逃したくないから大きさは3メートルの立方体。内側から壊せないように付与魔法エンチャントもしておこう。


「キューブ!」


 うまく相手を閉じ込めることが出来た。相手は突然目の前に現れた壁に驚き、勢いを止めることが出来ずにおもいっきり壁に衝突していた。


付与魔法エンチャント 防御力上昇ディフェンスアップ!」


 閉じ込められた衝撃で相手は倒れて動けなくなっていた。


「これで安心だと思うよ。」

「エンチャントまでやるのはオーバーキルだったんじゃないか?倒れてるぞ。」

「念の為だよ。力強そうだったし壊されることはないけど何があるかわからないからね。」

「でも、あの勢いでぶつかったらなかなか起き上がれないと思いますよ。」

「最初っからあれだけでよかったかもな。」

「そうですね。」

「結構近くまで来ないとできないから怖いじゃん。今回何も飛んで来なかったけど向こうも魔法とか弓あったら危ないよ。」

「そうだけど。」

「でも翠さん強いですね!キューブはどれくらい維持できるんですか?」

「維持には魔力使わないから解除するまで持つよ。」

「なら安心ですね!これにて一件落着ですか?」

「お前何もしてないのにな。それと、そいつを王都まで護衛しないと落着じゃないだろ。油断するなよ。」

「はーい。」

「まぁそれでも一安心かな。また反応あったら教えてよ。」

「了解。」


 そのあとはキューブを壊される反応もなく、岡島の危機察知に反応することもなく王都に到着した。

ちなみに後ろでこんなことがあったことを馬車のおっちゃんは気づかずに運転していた。






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