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4時45分

私は私を殺したい。

だけどそれはできない。

私はだいぶくたびれているけれど、生き物としての最低限の本能は残っている。

理性が「もうこいつは殺そう」と判断しても、本能がそれをさせてくれないだろう。

あと単純に準備がめんどくさい。だいぶくたびれている。



だから私の「小説」の中で私をこてんぱんに殺してしまいたい。

物語の中では牛に空を飛ばすことだって、今まさに車にひかれようとしている女児を助けることだって、指先一つでできる。

ならば私を殺すことだって、私には簡単にできる。

わざわざホームセンターまで車を走らせて練炭やらを買いに行く必要なんてない。

隣の部屋からPCを持ってきて、メモ帳を開く。

あとは適当に私を殺す物語を書けばいい。

最短5秒。


AAAAAAは死んだ。



だがこれだけじゃつまらない。

一応26年間も生きてきたんだ。

そんなにいい人生ではなかったかもしれないけど、そこそこ色々あった。

そんな人生をたった11文字で終わらすのは、いくら私といえどもさすがに可哀想じゃないか。


現実世界ではきっとだらだらと歳をとって特に何のヤマもタニもなくあっさり死ぬんだろうから、せめて物語の中だけではお膳立てしてあげたい。

私に劇的で素晴らしい死を!


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