表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薬師と仔狐の乱  作者: 蝸牛
第一部
4/31

夏の間

うだるような暑さと数日間照りつける太陽に、お気楽体質の結香もさすがに辟易としていた。

屋敷のなかに閉じ籠り日陰で風に当たる事によって今までなんとか暑さを乗りきっていた結香だが、今年は勝手が違う。

だっているのだ。紫翠が。

もしかしたら今にも庭から紫翠が来るかもしれないと想像すれば、結香は何となく楽しい気分になれた。


「結香、お前もう待たなくて良いって言っただろ」

「紫翠! 紫翠待ってた。紫翠待ってるとき幸せ。

紫翠今日はなにしよう?」

「お前は……全く狡いな」


ぱたぱたと動かない尻尾を振っているように見えるほど、紫翠が見えた瞬間結香は満面の笑みになった。

子供に慕われるのが嫌いではない紫翠は、ついつい甘やかして笑みを見せてしまう。

冷たいお茶を出して、雨の日は手を繋いでじっと二人で雨を見て。

そんな風に、明るい夏は過ぎ去った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ