些細なことも。
6.
「くそっ!早く死になさいよ!」
「お前何年やってきてると思ってんだ!そう簡単に、ぐっ....くそっ!」
「ハッ!雑魚ね!」
「馬鹿が!俺は魚じゃねえ!」
「なによ!じゃあ私も馬でも鹿でもないっての!」
(......もう帰りたい)
生き地獄。この言葉がふさわしい。わざわざ暑さマシマシの道を来たのにもかかわらず、この二人によって部屋までも暑くなろうとしている。
(私の番よ.....来ないでくれ.....)
必死に願う。今は松田の番。現在は半分まで行って8回やられている。
(こんなにギミックあるのに....まだ8回!?)
森も結局夢中になっているのだ。
「俺毎回ここになるとわかってるのに死んじまう。」
「まったく。ここはこうするのよ。貸しなさい?」
すごく悔しそうな顔をしながらコントローラーを手渡す松田。ふと、肩を寄せ合い二人の世界に浸りだす。
(はわわわわわわわわ!駄目よ!それ!なんで私とじゃなくてあそこの二人で浸っちゃってるの!もうもうもう!)
打開策を探す。出た結論は。
「あぁ!お茶が滑った------!」
tea is fly
「あっづ!」
「ちょっと!?森ちゃん!?松田大丈夫?」
拭くものとってくるねと言ってキッチンへ姿を消していく。そんなところでピッタリと布がくっついて松田の筋肉が露になった腕を見る。
(はわわわ...はわわ...はわわ)
機能しない脳みそ。ひたすら輝いて見えるたくましい腕。そんなこんなで
「はい。タオル。」
「あぁ。すまない」
「背中向けなさい。拭くわよ」
「ありがとう」
まるで夫婦みたいな姿を見せる二人。またしてもやってしまったという感情が湧き出る。
「あ、あのすいません!!!!」
「ダイジョブよ!手が滑ること人間誰でもあるわ。あとこの筋肉分厚いから」
「お、俺だって敏感なんだぞ」
「うるさいわ」ベシィィィン
「いった!いったいなぁ」
うでをべしべしと叩きまくる高嶺。みんなで笑いあってこの日は解散した。
ん?待てよ?少し巻き戻ってみよう。
6.
「くそっ!早く死になさいよ!」
「お前何年やってきてると思ってんだ!そう簡単に、ぐっ....くそっ!」
「ハッ!雑魚ね!」
「馬鹿が!俺は魚じゃねえ!」
「なによ!じゃあ私も馬でも鹿でもないっての!」
(......もう帰りたい)
生き地獄。この言葉がふさわしい。わざわざ暑さマシマシの道を来たのにもかかわらず、この二人によって部屋までも暑くなろうとしている。
(私の番よ.....来ないでくれ.....)
必死に願う。今は松田の番。現在は半分まで行って8回やられている。
(こんなにギミックあるのに....まだ8回!?)
そうだ!これだ!結局ゲームは二人の不戦勝により松田が勝利した。
_玄関_
「じゃあね松田」
「お、お邪魔しました!」
「おう!また会社でな!」
こうして長い一日は幕を閉じた。
_帰路_
テクテク....
テクテク....
住宅街の中。ただただ足音が響く。
「じゃあね森ちゃん。私あっちだから。」
「あ、はい!あ、あの」
「ん?」
「今日は楽しかったです!」
そういって満面の笑みを輝かせる。
「またくればいいわ。私の家でも松田の家でも。」
ただ仲間が増えたことにうれしさを感じた。ひたすらうれしかった。休日のちょっとした出来事。
それでも特別に感じる、「心」があった。
大切にしようと。これからも。お互いに宿る「心」は、そう共鳴し重なり合った。
画面越しでは味わえない。いくらランクを上げても感じることができない。
みんなで笑いあえる瞬間。自然とこころが温かくなる。
休日の楽しみができた。自分に彩が増えた。仲間も増えた。
「心」も......増えた。
「あ、でもア〇ワナはやめてください。」
「えー....」
そこでは共鳴しあえなかった。