思ったよりも。
5.
「え?」
「え?」
「ん?」
三人の声が重なる。
「どうした?」
「い、いやぁ?なんでもないですよぉ?」ゴゴゴゴゴゴゴ
(ゴクリ)
急に空気が冷え、思わず高嶺も唾をのむ
こうなったのはわずか数分前......
「おじゃましま____」
この瞬間森は目を疑った。自分の。
「すいませんちょっと洗面所かりますね?」
「ん?あぁ」
ひきつった笑顔で洗面所へ向かう。
ガンガンガンガンガンガン!!!!!
森は急に人の洗面所に思いっきり顔をぶつける!!!
(なんだなんだ、何か良くないものが見えているなぁ。稲〇淳二も怖すぎてそのまま葬式までステップアップしちゃいそうな何かがこちらを見ていたなぁ。あれは私の幻覚か?落ち着け私まだまだ始まったばかりだから。べ、べべ別に緊張してるわけじゃないし?ちょっと足元震えてるだけだし?ただのパーキンソンだし?関係ないし?もう一度見たら消えてるかもしれないわ。ほらあたしこう見えて結構ゲームするタイプだから。バグかなんかあるかもしれないもんね一応再起動しないと)ガンガンガンガン
森彩音
23歳
絶賛恋中、金髪のツインテール。お調子者。だけど真面目。とてつもなくあほ。
ふとそこで。
「うお!おいおい!どうした!」
「いえいえ、何でもないですよ」ガンガンガンガン!!!
「やめてぇ!こわれるからぁ!ここ賃貸だからぁ!!」
洗面所にヘドバンする森を抑える松田。そこにふと通った高嶺が。
「あんたらなにしてんの?」
「.........................................................」
「.........................................................」
こうしてとてもとても勘違いの混ざった偏見と印象の混沌劇...つまり茶番は事ありを終えた。
松田は泣き崩れ、森は血を抑え、高嶺はチーズを口にくわえていた。
そして....
「き、気晴らしにゲームでもしようぜ?」
「え?」
「え?」
「ん?」
三人の声が重なる。
「ど、どうした?」
(なぜか以上に体が冷たい.....)
「い、いやぁ?なんでもないですよぉ?」ゴゴゴゴゴゴゴ
(まずい、どうしたらこいつを追い払えるのか.....)
(ゴクリ。もりちゃんこんなに本気になっているのね,,,,,)
今に至る。
「何のゲームします?」
「まかせますよ?」
「あぁ俺も」
お任せ班の松田と森。
(これであやつが選んだゲームをことごとくクリアしてやるわ)
自信満々の様子。
「みんなでできるのがいいわよね?」
そういってカバンの中をごそごそあさる高嶺。
(ここで私がいいところを見せるには......)
「いや、そうじゃなくてもいいですよ?残機交代とかやり方ならいろいろありますし。」
「そう、じゃあ...松田!いつもの...ね」
「お!?きょうはまけねぇぞ!」
ガハハと笑う二人。戸惑いを隠せぬ一人。
「何のゲームを?」
二人が放った言葉それは。
「アイ〇ナ」
(森彩音....今日で終わります....)
アイ〇ナ...かなりの鬼畜ゲーとして名をとどろかす。誰しもが悩み。誰しもが頭を抱え。誰しもが挫折するゲームそれがこのゲームだ。
「ルールは簡単。最高難易度で最後のステージを何機で行けるかよ」
「がはぁ」
。地獄は今から始まる。