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夢の中  作者: 星凪 怜
6/12

家から出ないと…

私の車が動かないので、たまにご近所さんが訪ねてくる。

『あら~?休みなの?』

と、同じ人が三日続けて訪ねて来た事もあった。


選挙の挨拶も来る。

ドアを開けたくないので

『インフルエンザなので、ドアを開けられません』

と、追い返す。


ご近所がうるさいので、カミングアウトする事にした。

『腰を痛めていて、休職しているんです』と。


ウツなんて言ったら、隙なばあさん達の話題になるから、休職している事だけ、本当の事を言った。


ご近所の新興宗教の奥さんが訪ねてきた事もあった。

『大丈夫?腰を痛めているんですって?』

手には、分厚い本を持っている。

『病気って、自分の罪が現れたものなのよ。

心配だわ。この本を読んでみて。

師の教えが書いてあるから』

そう言いながら、ページをめくり、読み始めた。


新興宗教…いや、この奥さんは苦手。

いつも自分の意見を押し付けて、違う意見は悪と思っている感じ。


『あの…』

『あ、ちょっと、ちゃんと聞いてて』

『いや…あの…具合が悪くなってきたので、失礼していいですか?』

超、具合が悪いふりをして話す。

『じゃあ、この本を置いていくわ』

『置いていっても、読めないんです。具合が悪くて』

『読めるときに読んでみて』

『いえ。読みたくなったら言いますから』

そう言うと、奥さんは、分厚い本を抱えて、ブスッとした顔をして帰っていった。


休んでるのに、気が休まらない…


宅配も来る。

これは、買い物に出られなくて、ネットスーパーを利用しているから。


山形の友達から、さくらんぼが届いた。

『食べて元気になってね』とメッセージ。

箱いっぱいの、つやつやなさくらんぼ。

ひとつ口に入れたら、爽やかな酸味と甘さ。


『超美味しいよ!ありがとう』とLINEすると

『そりゃあ、本場の味ですから』と帰ってきた。


自律神経を整えるCDをかけて

1日中ソファー。

さくらんぼが美味しい。



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