夢
私は小さなカフェにいた。
向かいの席には、超イケメンが座っている。
少し神経質そうで、でも優しそうな顔。
髪は、明るい茶髪が肩までの長さ。
カフェに流れている曲に、リズムを取りながら、抹茶ラテを飲んでいる。
彼は私の事が好きなのか、時々不安になる。
私は、彼を大好きなのに。
『少し日本から離れようか?』
彼は外を見ながら言う。
窓の外は雨。
『どこがいいかな?』
彼は色々考え始めた。
…これは…何?
彼は誰?
急に気持ちがざわつく。
そのとたん、目の前が真っ暗になった。
『明日の天気は…』
テレビ画面は、天気予報を言っている。
時計を見ると、時間は19時になるところだった。
ソファーで寝ていた。
それも、夢を見て。
『イケメン…私の好みだったなあ…
ヤバい。惚れたわ』
その晩も夢を見た。
彼は、ベッドの上で、私をかばうように座っている。
『大丈夫だから』
『うん』
彼の親は、私を認めていない。
旧家で資産家の次男の彼。
彼は家の仕事を手伝わずに、ピアニストとして活動している。
彼のスマホが何度も鳴る。
画面には『母さん』と出ている。
『…出ないの?』
『出ても意味無いから』
彼はスマホの電源を切った。
『明日から、マリーンの世界ツアーだから。一緒に来てくれる?』
マリーンは、世界的に有名なアーティスト。
出身はタンザニアで、家族でアメリカに渡り、苦労して音大に入ったと聞いた。
彼は、そのマリーンのツアーで、ピアノの演奏をする。
マリーン直々に頼まれたと話していた。
『いいの?』
『離れたくない』
彼は、真っ直ぐに私を見つめる。
私は恥ずかしくなり、目を伏せてうなずくのが精一杯だった。
朝になり、目が覚めた。
『やっぱりイケメンだぁ…
目が覚めなきゃいいのになあ…』
この事を、友達にLINEした。
『何か、昔の人が言っていたよね。
蝶になっている夢を見て、もしかしたら、自分は、蝶が見ている夢じゃないか?って』
『そんな事を言っていた人がいたの?』
『うん。確か…荘子?』
『誰?荘子って?』
『よく知らないけど、中国の昔の思想家?違うかな?』
夢を見ているのは、どっちの私なんだろう?




