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夢の中  作者: 星凪 怜
5/12

私は小さなカフェにいた。

向かいの席には、超イケメンが座っている。

少し神経質そうで、でも優しそうな顔。

髪は、明るい茶髪が肩までの長さ。

カフェに流れている曲に、リズムを取りながら、抹茶ラテを飲んでいる。


彼は私の事が好きなのか、時々不安になる。

私は、彼を大好きなのに。


『少し日本から離れようか?』

彼は外を見ながら言う。

窓の外は雨。

『どこがいいかな?』

彼は色々考え始めた。



…これは…何?

彼は誰?

急に気持ちがざわつく。

そのとたん、目の前が真っ暗になった。



『明日の天気は…』

テレビ画面は、天気予報を言っている。

時計を見ると、時間は19時になるところだった。


ソファーで寝ていた。

それも、夢を見て。


『イケメン…私の好みだったなあ…

ヤバい。惚れたわ』



その晩も夢を見た。


彼は、ベッドの上で、私をかばうように座っている。

『大丈夫だから』

『うん』


彼の親は、私を認めていない。

旧家で資産家の次男の彼。

彼は家の仕事を手伝わずに、ピアニストとして活動している。


彼のスマホが何度も鳴る。

画面には『母さん』と出ている。


『…出ないの?』

『出ても意味無いから』

彼はスマホの電源を切った。


『明日から、マリーンの世界ツアーだから。一緒に来てくれる?』


マリーンは、世界的に有名なアーティスト。

出身はタンザニアで、家族でアメリカに渡り、苦労して音大に入ったと聞いた。


彼は、そのマリーンのツアーで、ピアノの演奏をする。

マリーン直々に頼まれたと話していた。


『いいの?』

『離れたくない』

彼は、真っ直ぐに私を見つめる。

私は恥ずかしくなり、目を伏せてうなずくのが精一杯だった。



朝になり、目が覚めた。

『やっぱりイケメンだぁ…

目が覚めなきゃいいのになあ…』


この事を、友達にLINEした。

『何か、昔の人が言っていたよね。

蝶になっている夢を見て、もしかしたら、自分は、蝶が見ている夢じゃないか?って』

『そんな事を言っていた人がいたの?』

『うん。確か…荘子?』

『誰?荘子って?』

『よく知らないけど、中国の昔の思想家?違うかな?』


夢を見ているのは、どっちの私なんだろう?

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