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夢世界で受験勉強!!  作者: モノクロヨク
3/11

2限目 活用ってなんだっけ

 小学校の時必死に円周率を3,14で計算してたのに・・・


 π ← おい、教師ども、んな便利なもんあるんならはよ言わんかいコラ


 ・・・目が覚める。


 が、そこは教室ではなく広い草原・・・でも無く何かの門の前だった。門には凝った装飾はされておらず、木と石でつくられた簡易的なものだった。


 当たりを見回す。周りには石レンガ造りの10Mはあるだろう壁が俺たちを囲んでいる。横幅は5M程。それが4つ、正方形の形で並び、上を見上げると綺麗な青空が広がっている。


 ちなみに俺の横にはレインがまだ気を失ったままでいる。


 気絶して横には眠った銀髪美少女とだけ聞くと完全に薄い本展開だが流石に僕にだって常識というものは存在しています。え?胸を触ったって?きみ、頭冷やしてきなよ。


 「ん・・・。」


 レインが気づいたようだ。可愛い声とともに目をこすりながら顔を上げる。やめてくれ薄い本が厚くなってしまう。


 「ココは・・・?」


 レインが俺にそう尋ねる。


 「分からない。俺も今目覚めた所だ。」


 夢の中で目が覚めるとは何ともおかしな話だが実際そうなのだから仕方がない。

 それに皆にもよくあるだろ?朝起きたと思ったらそれも夢の事で遅刻してしまった経験。

 え?ないって?ほんとかなぁ~?(゜Д゜)


 「ねえ?これ・・・何でしょうか?」


 レインが門の前で何かを見て言っている。


 駆け寄ってみると門をふさいでいる錠にはタブレット端末のようなものがついていた。 


 「何か書いてありますね・・・。しもいちだん・・・かつよう?何ですかそれ。」


 え、え、える、える、エロ、エロ、エロ。


 じゃなくて、え?どゆこと?


 よく見てみると画面下部には五十音表が、上部には『下一段活用を正しく埋めろ』とあり、その下には右から、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形と書かれている。

 そして端っこには『この扉を解放するには問いに答えなさい 但し3回以上間違えるともれなく爆発します。』と書いてある。


 いやこえーよ。ナニ?バクハツスル?テロでもやってんのかコラ。


 「これ?なんのことですか?」


 「あ、そっか。レインは外人だもんな。あ、日本人からしたらの話だけど。」


 「う~ん・・・、えい。」


 ピピという音が何処からか鳴り、ブーという音が・・・。

 ・・・ ん?ちょと待てお兄さん。ブーだと・・・?


 嫌な予感を感じ、画面を見るとそこには大きな×記号がXエックスではない。バツだ。


 「あーーーーー!!!!!何してんのお姉さんーーーー!?」


 「え?駄目でしたか?あ、あと2回って書いてあるーーーーー!!!!!。」


 あ、意外と叫んだりもするんですね君。


 「ガイコクピーポーの貴方は下がって、ココはニッポンピーポーの私に任せなさい・・・!!」


 そしてキーボードにタッチする。

 

 『え』3回『る』1回『え』1回『る』1回『エロ』3回


 ブー


 「あ、やべ、つい癖が。」


 「何やってるんですか――――――!?『・・・!!』みたいな思わせぶりな文字使っといて!!!!」


 「ちょ。やめてくれ。恥ずかしすぎて精神が持たなくなる。」


 レインに恥ずかしいところを見せてしまった俺はどうにかして評価を取り戻そうと必死に思い出す。


 駄目だ。出てこねえ。『エロ』の印象が強すぎる。授業中のうるせいやつらのせいで洗脳されてしまったではないか。


 「くそ!どこかにヒントは!?」


 そう言い、俺は門のあたりを探しまくるがそんなものあるわけがない。


 下一段活用を言えだ?よくある赤と青の銅線を切る二択よりも難しいじゃないか。


 「このタブレット端末には!?」


 と思い画面を見るが駄目だ、何にも書かれてないしそもそも正確にタブレットじゃないからホームボタンすらない。

 

 「ん?」


 そのとき俺は妙な違和感に気付く。


 「何か分かったんですか?」


 この端末の裏がザラザラしているのだ。

 

 ヒント!?と思い裏返してみるとそこには感じが二つ、『国語』とだけあった。


 「ハーーーーーー!?んな事とっくに分かって・・・・・・。ん?国語?」


 「何かわかったんですか?」


 「そうだ、国語だ!!!!!」


 「耳元でうるさっ。」


 「レイン、俺ちょっと現実のほうで目覚めてみる。」


 「え?何でですか?」


 「今丁度学校で国語の授業やってんだ。。だからちょっと尋ねてくるわ。」


 「は・・はい。分かりました。」


 「すぐ戻ってくるから、絶対画面に触んなよ!?」


 「分かりました。」


 「あ、そうだ。」


 「?」


 レインのほうを真っ直ぐ見てドヤ顔で言葉を放つ。


 「I'll be back」


 「は・・・はい・・・?」


 決まった。発音も素晴らしい。よし起きるとしよう。











 ・・・レインさん、ひいてなんかいませんよね?









―――――――――――――――


 ガバッ


 目を覚ます。そして体が重いことに気が付く。よほど深い眠りに入っていたのだろう。


 ・・・そして何を寝ぼけてしまったのだろうか。顔を上げると同時に手を挙げてしまった。更に最悪なことに丁度先生は質問を生徒に投げていた。


 あ、やらかした。


 ポカーンと口を開けて俺を見つめるクラスメイト。表情には濃く、はっきりとした字で『信じられない』という字が書かれていた。


 「あ・・・。柊君が手を挙げるなんて珍しいわね、じゃあ、柊君答えてみて。」


 おい、女教師、このくそアマ。お前まで信じられないような目で見るんじゃねえよ。生徒の可能性を疑うなんて教師失格だぞ。


 いや、突っ込んでる場合じゃねえ。とにかくえーと、何をどうすんだっけ・・・。


 あ、そうだ活用だ!(゜∀。)


 「活用ってなんだっけ。」


 180度違う回答(むしろ質問)。更にタメ語。


 再び凍る教室。まるで担任がHRで『ビルが錆びるとか超ビビる!!』と連続でダジャレをいった時と全く相似の状況である。


 すかさず教師からは反論を食らう。


 「あなたは何を言ってるんですか?今は活用ではなくて、主人公の親戚の友達の弟の知り合いの女子高生が放った『卍』という言葉にどういう意味が込められているかを聞いているんですよ?」


 いや、知らねえよ。てかなんだよ。主人公の親戚の友達の弟の知り合いの女子高生って。『他人』でいいじゃねえか。教科書も教科書で何で『卍』なんて使ってんだよ。文部科学省もついにパリピになったか卍


 「とにかく、分からないなら手を挙げるのはやめなさい。評価が欲しいのなら授業態度で示すのよ。あと、その言葉遣いも直して。それじゃあ、他に分かる人ー。」


 うわー。うぜー。別にお前なんかの高評価なんて欲しくも何ともねーよー。ユーチューバーじゃねーんだぞ俺はー。


 顔を赤くして静かに椅子に座る。


 「てか、お前が起きるなんて珍しいな。」

 

 デカが振り返っていった。


 「ったく・・・。こっちにもいろいろあったんだよ・・・。」


 「活用って、まさか、さっきの授業前にいってたやつか?あれは順番に、『え、え、える、える、えれ、えろ、えよ』だぞ。」


 あ、聞いてもないのに教えてくれた人発見。

 

 「お前神だわ。おやすみ。」


 「はい?」


 俺は再び目を閉じた。












―――――――――――――――


 「ん・・・。あ、レインおはよう。」


 「意外と戻ってくるの早かったですね。」


 「おう、寝るのは某メガネの駄目少年に匹敵するからな。あ、眠らせて謎を解くほうじゃないぞ。」 


 「・・・両方英語版で読みました。」


 「それにしてもよく戻ってこれたな俺。普段は毎回違う夢ばっか見るけど。」


 「それもそうですね。私も戻ってくるかどうか不安でしたし。」


 そういう風に言われると、レインが俺を待ってくれていたようでめちゃくちゃ嬉しい。更にその言葉がが俺の目をはっきりと見て言ってくれた言葉なら思わずガッツポーズをしていたことだろう。・・・なんか悲しい。


 「それで?分かったんですか?」


 「おう。待たせたな。」


 軍人の気持ちになって端末にデカの言う通りに入力する。え?何で軍人の気持ちになったって?こまけぇ事は気にすんな。


 ピー。ピンポン!


 心地いい音とともに画面には〇記号が表示される。断っておくがOオーではない。


 そして門が開いた。


 そこに広がっていた世界は―――――――――――。



 


















―――――――――――――――


 キーンコーンカーンコーン


 鳴り響く最高峰の目覚まし時計。俺は目覚める・・・、って


 「おい!!ヴぉい!!!!おおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!」


 何でここで予鈴が鳴って目が覚めるんだよ!?サスペンスドラマの犯人が分かる直前か!!??


 と悔しがっていると俺はある事実に気付く。


 キョウシツガシズカ


 あ、やらかした。わし、さけんでしもうた。


 「柊君、生徒指導室ね。」


 叫んでしまって俺が悪いのか予鈴が悪いのか…。何にせよ生徒指導室ですか。反省文の地獄が待っていますね本当にありがとうございます。


 今日はもう寝れそうにないや。





















―――――――――――――――


 「ヒナタさん?」


 せっかく門が開いたというのに、またヒナタさんが現実世界むこうに戻ってしまった。


 「・・・つまらないなー。」


 しぶしぶと一人で門の外を見る。


 「え・・・?なに・・・ここ!?」


 彼女の目の前に広がっているのは、大草原だった 何種類もの花が咲き、小鳥がさえずり、滝からは小川が流れ虹がかかっている、まさに桃源郷と呼ぶに等しい場所だった 


 「・・・綺麗。」


 彼女は一歩踏み出した


 そして目の前地面に目をやる そこには沢山のクローバーが生えていた


 「すごい・・・。」


 彼女は何気なくクローバーをつまむそれは一ッ葉だった


 「・・・フフ。こんなクローバーもあるんだ・・・。」


 彼女は それこそ夢を見続けるかのようにこの景色に魅入っていた


 そして気づかなかった


 後ろの 開いたはずの門が再び閉まっていくことに












 

 

 漢字練習とかで右利きの人は手が黒くなりやすいよね


 左利きがどうかは知らんがな

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