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リリィは喫茶店を出て、路地裏を抜けて、露店の並ぶ場所に出た。
この街は森で囲われており、その中に軍の基地がある。
「軍の基地ができるなんて誰も思ってなかっただろうなあ」
「おばちゃん!このメニューのやつ全部くれ!!」
その時、目の前の露店で耳を疑う話がきこえてきた。
「嘘…、まだ食べるの…!?やめてよ戻ろうよ、お金ないよ!大体なんで抜け出すかな!」
「だってこの街めっちゃいい匂いすんだもん!」
「理由になってない…。さっき軍の人達探してたのになんで隠れるし…!ああっもうっ!」
まさかあの量をあの2人で食べるつもりだろうか…、見た感じも普通の女の子…、あれ軍服…。
いやまさか…。彼女達も隊長を探しているのだろう、しかし初めてみる顔だ、酒場でも見かけた覚えがない、配属されたばかりだろうか。
「…ねえ!あなた達まさかこの街に来るの始めて?」